2008 081234567891011121314151617181920212223242526272829302008 10
文字ばっかのブログが、ここです。
なんて味気ない、って感じでしょうか。
でも、そんなところを意識して(笑)書いています。

真っ先に自分に。
そして、何かを感じてくれる誰かに。
言葉を、紡いでいます。

いつもありがとう。
書いた時期に関係なく「拍手」をしてくれて…。
届いているよ。
とっても、嬉しい。
サンキュ!
(おはなし)
◆  ヒロイン・香須美(ミムラ)は、落語好きの叔父さんに連れられて行った寄席で、
若き落語界の巧者・三松家柿紅(益岡徹)の落語を聴いて好きになり、入院した叔父さん
(利重剛)を喜ばそうと、特訓して病室で演じた。
それをきっかけに、彼女は落語家を志し大学の落研で腕を磨いて卒業すると同時に、憧れの三松家柿紅の弟子入りを志願して、入門試験に彼の前で「景清」を演じるが、彼は「何を稽古したところで無駄」だと、入門を断られる。

 そんな柿紅に異論を唱え、彼女を弟子に迎えてくれたのが三々亭平佐(津川雅彦)師匠。
ところが、弟子になったものの、平佐はテレビで起こした事件で謹慎の身なのに、稽古もつけず
遊び代欲しさに弟子の彼女にまでお金をたかる、破天荒な師匠だった。
楽屋では、駆け出しの女前座として、男社会の色濃い世界で、大好きな落語を支えに、
忙しく働いている。

◆ ある日、大学時代の落研の後輩から、封印された落語「緋扇長屋」に平佐が挑むという
話が伝わってくる。
その落語は、作者も、演じた噺家たちも、急死した、いわくつきの一席だ。
さてさて…どうなりますことやら…。
 
(中原 俊 監督作品)

(感想のようなもの)
◆ 津川雅彦が演じた、三々亭平佐役がすごい!
高座での所作、噺を観客に向けて語る場面の見事さに、驚き感動した。
本職でも、これほど見事に落語を語れる人は少ないと思った。

彼がインタビューで語っているのを読むと、半端じゃない練習の跡が伺われる。
曰く『「…これが最後の挑戦かもしれない」って引き受けちゃったよ。
毎日毎日「ツガワ・ザ・ファイナル」って呟きながら(笑)自分を励まし、噺を繰って練習した。…』
二ヶ月でこの語り。嬉しい。すごい。

ミムラが公園で練習する場面で演じる「寿限無」。
高座で演じる「たらちね」もよかったよ。
笑いとミステリーの味付けが楽しい。


◆ 永田俊也の原作小説「落語娘(「ええから加減」も収録)」(講談社文庫)を読書中。
いまのところ、手ごたえ十分。


◆ 楽器の中で、アコーステックギターの響きが好きだ。
演奏する人の、生の温かさのようなものが感じられるから。

◆ イョラン・セルシェルが弾く「THE BEATLES SONGBOOK」のギター演奏は
武満徹などの編曲のうまさも手伝ってポピュラーな音楽が、初めて聴くクラシックの
名曲みたいに聴こえる。

◆ 大好きなビートルズの「ヘイ・ジュード」「ミッシェル」「イエスタディ」
などの聴きなれた音楽。
初めて聴いたのは「ハニー・パイ」「アイ・ウィル」

◆ 編曲とギターの演奏で、新たに飛躍した独自の曲たち16曲。
聴き応えがあって、ホッとする時間もくれる。
(お話はというと…)
◆ 大阪下町の中華料理店・戸村飯店店主の親父とお袋。
そして、そこの一つ違いの兄弟・ヘイスケとコウスケがおりましたとさ。
 兄・ヘイスケは要領がよくてイケメンってことで女性に人気バツグン。
ひたすら家を離れたかった彼は、高校卒業と同時に、東京の専門学校に行って
小説家を目指す口実で家を出る。
学校は、すぐに辞めて、飲食店でバイトをはじめる。

 弟・コウスケは、単純だが明るく情熱的。
高校の合唱祭の指揮者に立候補したりして周りのみんなに好かれる。
ピアノを演奏してくれた北島と仲良くなる。
彼は高校を卒業したら、戸村飯店を継ごうと考えるが、父親に反対されて
関東の大学を、受験をすることになる。

さてさて、そんな二人の兄弟の、明日はどっちだ?
てんやわんやの、コテコテ大阪下町の兄弟の青春コメディ。

(読んでみて…)
◆ 気分がいいのだ。笑えるのだ。
読んでいると、日々の暮らしの中に、大阪人はどこかで「受け」をねらって
生きているのではないかとさえと思ってしまう(笑)。
大阪弁も、おおらかな感じがいい。

◆ 二人とも、好きな人や友人が出来る。二人を取り巻く人たちが、それぞれいい。
駅のホームで涙ながらに、ヘイスケが乗っている新幹線を追っかけて走る古嶋君には
真っすぐないい奴を感じる。
コウスケの予定外の受験勉強に「美人家庭教師」を自称して、まずいクッキーを作って
もってきてくれたりして、彼を励ましてくれる、憧れの岡野さんはカラッとして気取りがない。
他にも北島君、品村さん、アリさん、二人の親父など、魅力的な人物がワンサカだ。

◆ 一緒だった頃は、あまり話さなかった二人の兄弟同士。
違うようで似ている。似ていて、それぞれの個性もある。
親父のことや生まれ育った町とか戸村飯店のことなど。
ヘイスケじゃないけど、離れて、見えてくるもの。
…あるね。

(瀬尾まいこ著 「戸村飯店青春100連発」 理論社2008.3)
◆ 絵都さんの「ラン」を読んだ。
すると、以前の作品「カラフル」を読み返したくなった。
前に、読んだはず なのに、と〜っても新鮮に、読めた。
(…タンに…記憶が悪い …だけ …かも。)
それにしても、作品の出だしで「…抽選に当たりました!」と
ぼくの魂に「天使の笑顔」で語りかける、案内役の天使のプラプラ
いい味だなぁ〜。

コミカルとシリアスが、程良くブレンドされた味が絶品。

◆ (お話)
 大きな過ちを犯して死んだ罪で、生まれ変わる輪廻のサイクルから、
はずされたぼくの魂が、なんと天使たちの取り決めで
輪廻のサイクルに復帰する、再挑戦ができる「抽選に当たった」。
気乗りしないながら、ボクは、自殺して死んだはずの真の体を借りて
小林一家に「ホームスティ」して中学3年の小林真として、自分の魂が前世で犯した
過ちの大きさを自覚して、輪廻のサイクルに復帰する挑戦をすることになる。
案内役の天使・プラプラによれば、小林家は、利己的人間の父親、最近まで不倫をしていた母親、大学を目指す兄・満は「無神経な意地悪男」という、悪魔の巣窟のような家族だという。
また、真の自殺数日前には、初恋の後輩・桑原ひろかが、中年の男といちゃつきながら
ラブホテルに入っていき、おまけに同じホテルから、母親が不倫相手と出てくるのを
目撃してしまったのだとのこと。
さて、真に扮した、ぼくの魂の、再挑戦はどうなる、どうなる…。

◆ (思ったことなど)
ホームスティした真が、徐々に父、母、兄から話を聞いたところ、プラプラに聞いた
家族情報とかなり違う。
真が生き返っとき、家族は本当に喜んだ。
「悪魔の巣窟のような」と思った家族の本当の姿を知っていく。

 それまで単色に見えていた、家族や周囲の人たち
(初恋の後輩のひろか、真に密かに好意を持っていたクラスメイトの唱子、
初めて出来た友人・早乙女など)が、実は、多彩で豊かな色を持って生きている
ことを感じる真。自殺した時の真は、「カラフル」な、未熟さも、過ちも含んでいる、
人間の奥行きが見えなかった。

 読んでいる、ボク自身も、真が感じた人間の多面性を、どこまで感じているのか心もとない。
でも、カラフルな、人間の奥行きを見すえて歩きたいと思う。感じたいと思う。
それを、見ない人生は、もったいないなぁとつくづく思っちゃうのだ。
矛盾も、弱音も、強がりも、真面目も、スケベも、馬鹿も、賢さも、同居している
生き物・人間は面白い。
大事なことは、人間の輝きを感じて、まずいところを修正する思いを持つこと。

人の犯す、色んな過ち。
それを認識して、修正していこうと意欲する魂をもつ。
それには、豊かな矛盾した生き物として、人間を感じることが大事なのだなぁと思った。
小説「カラフル」は、人の魂の成長と、「生」のかけがえのなさを、描いた物語だと思った。


真の案内役の天使・プラプラが、最後に真に言う。
「帰ろうと思いながら一歩、足をふみだしてみな。
それだけで君は君の世界にもどれる。あばよ、小林真。しぶとく生きろ」(P248)
何気ない一言。
でも、意欲して一歩踏み出すこと。生きることを励ます一言だ。

オススメの一冊!  (8/23改稿)



(森絵都 著 「カラフル」 2007.9文春文庫・再読 )

フフッ!見つけた!見つけた!
店頭で読んで、見つけた面白〜い本。
暑い日。厳寒の流氷と夕日の描写の美しさ。
ほんで、人っていいなぁと感じさせる
ここちい〜い一冊なのだ。

(お話)
◆ 1983年冬。大学四年生。就職までの最後の休み、人間関係が苦手で、
一線を引く佐藤君は、親友も恋人も出来ずに、一人で冬の知床のユースホステルに泊まる。
そこでの友情、恋、初めて尊敬できる大人との出会い。流氷の夕日の描写の美しさ。
彼は、何を感じ、どんなふうに歩き出す?

(思ったこと)
◆ しみじみと、いい時間をくれる。
美しい知床の流氷と夕日の描写に、涼と光を感じる。
暑い日にピッタリ。
そして、これを読むと、まっとうな「生」って何だろうと思う。
一人旅の不安とときめきを思う。人生は旅に例えられる。
佐藤君の日々を見ていると、不安を受け止めて歩くしんどさの中に、
生きる喜びもあるんだなぁと思ったりする。
知床の旅で、人を見る目、自分を見つめる目が育っていく。
誰かの真っすぐで、切ない思いが心の中に溶けて、
新しい芽がでて、心がふくよかに育っていくんだなぁ〜と感じさせてくれる。


◆ それにしても、女の子たちの気を惹くためとはいいながら
ここにしかいない天然記念物の「エゾ黒鳥」(笑)だと「カラス」のことを偽る
ユースの常連客の男たちの冗談。
笑って許して(笑)。

佐藤君が出会う人物たちの描写のオモシロさと、深さ。好きだなぁ〜。
(詳細は読んでくれぃ!)
オススメ!

(加藤俊寿著 「僕らは冬の知床で」 幻冬舎2008.7)
「死んだ」という、くら〜いフレーズのついている本。
でも、暗さと明るさは背中合わせなのだね。
生きている事を,、ピリピリと刺激してくれる一冊。

◆ (お話)
中学生になって間もない「まい」は、学校に行かないと母に宣言する。
働く母。単身赴任の父。
二人と離れ、まいはママのママ(通称「西の魔女」)であるおばあちゃんの家で、
一ヶ月ほど過ごすことになる。

 そこで、おばあちゃんが伝授する「魔女修行」の中身とは?。
近所に住む、粗雑で下劣で「死んでしまえばいい」とまで、まいが思うゲンジさんとの関係。
死んでしまったら、人はどうなるのか、というまいの問いかけ。
魔女とまいのしこりを残した別れの哀しみ。
魔女の死とまいに残したメッセージとは?

(思ったことなど)
◆ 魔女の修行の要であり、悪魔に打ち勝つ方法は、とても平凡なこと。
いわく「精神を鍛えれば大丈夫」
「早寝早起き。食事をしっかりとり、よく運動し、規則正しい生活をする」(69)
これってごくふつうのこと。でも、実はこれが難しい。まいだけでなく、ボクにも。

自分で決めた事をやり遂げる力が強くなれば、悪魔も簡単にはとりつかない。
 「意志の力を鍛える」には、疑い心、怠け心、あきらめ、投げやりな気持ちが出ても、
黙々と続けて、新たな自分を発見する。そして又、退屈な日々と、ちがう自分を見つける
という繰り返しなんだ。そんな言葉もでてくる。
平凡な繰り返しに見える積み重ねが、心を鍛えるということ。
「退屈」が、実は自分を育てている時間なんだってこと。
一見どうでもよいようなことが、実はとっても大事ってこと。


◆ まいはゲンジさんを「下品で、粗野な、卑しい男」(81)で、魔女がなぜ彼をかばうのか
わからないと思う。
そして、しこりを抱えたまま、生前の魔女と別れる。
魔女が亡くなって再会したゲンジの言葉を聞いて、まいは魔女の心の大きさと、
ゲンジの知らなかった一面を見る。
この本に納められているもう一作「渡りの一日」には
親友ショウコが登場する。
ショウコの率直な性格と、異なる文化に「感嘆」する人柄が描かれている。
魔女は、ゲンジさんを含む、異なるものを包み込む人柄を、まいに
育てていって欲しいと、願っていたのかも。その続編でショウコに巡りあう、まい。
魔女の思いが、彼女の中で、育っていることを感じさせた。

◆ 人は死んだらどうなるのか。
魔女がまいに語って聞かせた言葉の中に、死はそんなに怖くない
この世に生を得るステキさを語っていると思った。

 魔女の、生身の暮らしの中の知恵や生活ぶりが面白い。
まいの気持ちに、ゆったり感を育てたんだと思う。
読んだボクにも、時間がゆっくり流れてるみたいだった。


映画を観た。小説を再読してみようと思った。 (8/10改稿)


(梨木香歩著 「西の魔女が死んだ」 新潮文庫による再読)