2017 / 06
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◆(ものがたり)

「戦力外通告を受けた選手が、もう一度どこかの球団に入団するために受けるテスト」を
「トライアウト」という。
高校野球の優勝投手からプロ野球に入団。プロの投手になったが、木下監督の勝つために「相手のサインを覗く」という手法についていけず、嫌われて二軍落ち、他球団に移籍後に復活したが、左肘を故障して戦力外通告となる深澤翔介。球団をクビになり、トライアウトも全滅したが、現役続行にこだわる。

実家に小学二年生の息子・考太を預け、新聞社で働く38歳の久平可南子はシングルマザー。
9年前のスキャンダルの後、妊娠が判明し出産したが、父親の名前は誰にも明かさない。

彼女は、内勤の校閲部から外勤の運動部に9年ぶりに人事異動し、トライアウトの取材を通じて深澤選手と再会する。彼女は、15年前、23歳の入社一年目の時に、18歳の深澤が高校野球で優勝したことを思い出す…。


◆(思った)

見つけた!面白い作家。深澤や可南子を始め、登場人物たちの鼓動がイキイキと伝わってくる、読み応えバリバリの一冊。

二人以外にも印象的な登場人物たち。例えば、一見、金持ち大好きでカル~イ感じのキャラクターの可南子の妹・柚奈は、さりげなく確かな目と思いやりが様々な場面にでてくるし、可南子とソリが合わないように見える父・謙二の、人を見る目の確かさなど、物語を面白いものにしている。

若い主人公が、希望にあふれて歩き出す青春ドラマも面白いけど、30代の男女が、悩みながら生き方を探す陰影豊かな大人の物語も、とってもいい。

自分にとっての納得のいく、新たなプロ野球生活を目指す、ピークを過ぎた野球選手・深澤の挑戦。
そして、父との死別、子供の成長などの家族関係の変化とこれからの生き方、人との本当の関わり方、家庭と仕事などを背負いながら生きる可南子の歩み。
二人の人生が交錯し、本音を出し合いながら作り出す関係がいい。

印象的な言葉がある。
◆「人生を大きく動かすには、自分自身の中の暗闇(くじら注※「自分の思い込み」のこと)を動かすしかないってことだな」(P241)
◆◆「自分にとって納得のいく終わりはあるだろう。終わりは悪いもんじゃない。さっきビリって言ったけどな、おれとしては今、先頭にいるんだ。これまでは他人と競争するためにやってきたけど、これからは自分との競争をする。だから先頭」 (P259)

大きな声に流されず、思い込みに惑わされないで、新しい人生をどんなふうに切り開いていくか?
そんなことを、考えさせてくれる、面白さ抜群の一冊。

藤岡陽子著「トライアウト」2012.1光文社)

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◆ 本当に嬉しい、贅沢な時間だった。
久しぶりに、ナマで観る小三治落語。
いっぱいの会場だった。やっととれた二階席。

まず前座で出てきた、柳亭燕路師匠
そこつの釘」という噺。
おっちょこちょいの大工と、その妻の引っ越しの話し。
枝雀のように、高音の声音で、楽しい落語だった。

◆ さて、小三治さん
落語を語り出す前の話「まくら」を、それだけ集めた本が、二冊出ている。
(講談社文庫「ま・く・ら」始め二冊。おススメです。)
今日も、快調に「まくら」を語りだす。落語はやらずに、まくらだけで終わってしまうかもと、思ったりした。
(過去に、そんな会があった、でも「まくら」そのものが、面白いので、いいのだ!)

その「まくら」は「昨年新しい病を、得ました。」と、糖尿病の話しから、始まる。
今日は「糖尿病のすべて」という話を、しに来ましたと、冗談をいいつつ、たっぷり。
深刻な病気の話が、彼の語りになると、笑いと興味津々の芸になる。
後半では「夜明けの歌」「あなたのすべてを」「無縁坂」などを、アカペラで歌っておりました。
(歌のCDも出していて、秋に北陸で歌の会があるのでと、その時の出だしに何を歌うか、高座の上から、拍手の数で歌の選曲アンケートをやったりと、やりたい放題なのに、和やかな笑が会場を包んでおりました。)そして、いつの間にか、落語に入っておりました。

◆ 彼が話した「生の落語は、演者と会場の人が、共同で作り上げるもの。」という思いが、高座を、豊かな空間にしているんだと感じた。笑いに押しつけがましさや、力技が感じられない。演者も聴いているボクらも、遊びの空間を漂っているような、安心感やゆったり感が、会場をゆらゆらと流れているとみたいだった。
小三治さんの落語二席。間抜けな泥棒を、元義太夫の師匠の女性が、色仕掛けで手玉に取る「転宅」。
ある男が、あくびを教える教室に入門するナンセンスな落語「あくび指南」。

こんなに楽しい高座ができるのは、自分を見失わない、ゆったりとした遊び感覚や、
独特の芸への思いがあるからだと、思った。
最高の、ひとときだった。

(「柳家小三治独演会」愛知・長久手町文化の家・森のホール 6月5日・午後二時開演)



◆ 倉本聰脚本の「風のガーデン」第四話をみた。

主人公や、周りの人の哀しみや孤独が沁みてくる。 
花々の美しさと人の命が、共通して持っている華々しさ美しさに同居している哀しみが
見えてくる。でも決して辛いだけじゃない。それは、いとおしい。
人の命にも、おじいちゃんがつけるような花言葉をつけて覚えておきたいと思った。

エンディングに流れてくる、平原綾香の「ノクターン」が、花々の映像に一層の光を与えている。


◆ メール、書き込みありがとう。
返信、次の休みに書きます。お休みなさい。

◆ 読み返したくなる、本との出会いはめったにない。
その貴重な一冊にあった。
心に、沁みてくる文章を書く医師の鎌田さん。
心を元気にしてくれる、読書のビタミン剤を飲むようだ。
いや、もっともっと効く、何かがある。

◆ 十章からなるドキュメント。
鎌田さんが出逢った、人として大事なものを「なげださない」人たちが、
地域や年代や国籍を超えて出てくる。

ここに登場する人たちは、スーパーマン(ウーマン)で特別な強い人たち、ではない。
成功して脚光を浴びているわけでもない。
身体や心の痛みを抱えて、弱音を吐いたり失敗したり、今も深い悩みと向き合いながら
「…にもかかわらず」歩く人たちが出てくる。

◆ 本の扉を開けると、鎌田さんは書いている。
「困難のなか、なげださずに、ていねいに
生き抜く人たちを書きたいと思った。
いのちの底力を、伝えたい。」


◆ 何を大事にして歩くのか。考えた。
いのちの臨場感、あたたかさのこと。感じた。
めぐり合えて、本当に嬉しかった一冊


(鎌田 實著「なげださない」2008,1集英社)





たとえば …

雪深い 寒さの真ん中 に

身を震わせながら たたずむ日

 も

春の 陽光に 
 
こころ あそばせながら…。

2008年 だね。


落語が好きだ。最近のサライがド~ンと、落語完全ガイドという特集で、金馬.小さん.松鶴が演じるCD付きの雑誌を出していた。小説では佐藤多佳子「しゃべれどもしゃべれども」や竹内真「粗忽拳銃」に落語が出てくる。

疲れたら、落語を聞いてほっこりするのだ。

本命くじら

Author:本命くじら
 本が好きです。自然も好きです。
人間という生き物にキョウミシンシン!
本は快楽。本はエネルギー。…ってことで。
 よろしく!

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