2017 / 06
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3冊立て続けに、彼の本を読んだ。
まったく、どう~ということはない。

感動して夜も眠れない…などと いうこともない!

くた~っと寝そべって。
ビールを、ぐびぐびっ~と、やりつつ彼の本を読む。
するってぇと、彼の遊びの時間の中に、この身がいつしかスルッと入り込む。
彼とおんなじ空をみて、おんなじ浜辺で寝そべっているってわけさ。
あぁ~気分がイイ。
心がてれ~として、無垢で無邪気な気分が、南の蒼い海の波みたいにおしよせてくる。
あ~ら不思議というやつ。


誰かを出し抜いて、勝ちましたぜぃ~とか…
このコツを覚えれば、あんたは大儲け~とか…
出世のノウハウはこれにありだとか~…

まぁ~ったく~ 関係ないんだなぁ!これが。

彼の本3冊。
「ナマコ」「モヤシ」(「モズク」併録)」「ナマコのからえばり」(エッセイ)

椎名さんの好物ナマコ。常連の居酒屋店主と旅した縁で「ナマコ」をめぐって香港へ…。(「ナマコ」)

娘にもらった「モヤシ育成キット」を、北海道8泊9日旅に持ち歩きながら、モヤシを育てつつの旅に。
水を与えるとぐんぐん育つモヤシの生命力に感動し愛着さえ抱く…。(「モヤシ」)

仲間たちと離島に草野球にでかけ、キャンプをして、離島の隣の無人島に筏で渡って野球をするが
潮流の関係で元の島に戻れなくなり、無人島で一泊することになる。アクシデントで食材難だった時、海中に
繁茂していた、南の海の大きなモズクに、食事を支えてもらった話。
(「モズク」)

偉そうなヤツに見向きもせず、仲間との酒や会話や遊びを楽しむ椎名ワールド。
ナマコを題材に、一冊の本が書ける小説家はすごいぞ!

脱力文の名人芸。その本の中で、旅をして遊んで。
椎名さんを、タンノウした6月の日々だった!


(椎名誠著「ナマコ」2011.4講談社 「ナマコのからえばり」2008.4毎日新聞社 「モヤシ」2003.4講談社)

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これは大河小説ならぬ「小川いっぱい小説」なのだと彼は言う。
すごい歴史を左右する壮大な出来事があるわけじゃない。
彼を取り巻く友人との、もっぱら遊び的な出来事が書かれていて
とまらない面白さがある。彼を取り巻く仲間の日々という小川が、壮大な遊びの流れに合流する。
だから、これは「大河オモシロ人生小説」なのだと思った!

◆ 本好きが高じて、友人と「本の雑誌」をつくってしまう。仲間内のミニコミ誌が、全国的な月刊誌になる。
三角ベースボールで、仲間と本気であそんでいたら、全国的大会が行われ、外国まで試合遠征する。
ポケットマネーで好きな映画を撮ろうとしたら、映画会社ができ、本格的な映画製作になって、全国上映する。
その流れで、モンゴルに撮影に行く。遊牧民の住まいの「ゲル」が気にいって、新宿の友人のビルの屋上に、仲間とわいわいと設営してしまう…。

◆ 面白そうなこと、好きなことをみつける達人だ。そして常に、異色の仲間たちがいる。
飲みつつ遊びつつ、アナログまるだしのつきあいが、遊び的パワーを増幅させまくる。

ほどよい「いいかげん」な日々が、キラキラしている。
初期の椎名さんの作品で、重要なインパクトを残した仲間たちが亡くなったことが作品でわかって、
しんみりする。

それでも、読み継いできた椎名ワールドは、時を重ねて、哀愁とオモシロさを増している。

でも、実はこんな面もあると仲間の一人・斎藤海人が、あとがきで彼のことを書いている。
「…人の心を軽んじる現代社会の管理体制とか、文明に浸りきった人間の心に潜む形のない不安とか、慣れすぎてもうその腐臭にすら気づかなくなった日々の退屈とか、そういうものとペンの力で戦っている…」

ほんとに管理にそぐわないヒトたちの小川が大河になってオモシロパワーをくれる。
荒削りながら、自由で気分のいい風が、作品から吹いてくる。
サンキュな、読みごこちだった!気分は草原を駆ける遊牧民っ!

(椎名誠著 「新宿遊牧民」2009.10講談社)



オモシロ哀しい文体を久しぶりに読んだ。
懐かしくて、魅力的だ。
とにかく心地いい、椎名ワールド。

(物語)
◆ 「こんちくしょうめ」「風に揺れる木」「用意は?できてます!」「ふたつの島で」「花のまつり」「回流していく時間」「ブチクンへの旅」「山の上の家」「熱風の下」「きのこ街道」「冬の風」の11編を収録。
椎名さんの周辺の出来事を綴った、気分のいいエッセイ風私小説。

作家・椎名さんの日常は忙しげだ。
小説の連載を始め、企画連載の「各地の祭り」「麺」「釣り」の記事のために全国を巡る取材。
沖縄での毎週のラジオ収録。
講演。応募ルポなどの選考。
そんな事をしつつ、日々飲み食いをし、友人とあれこれ遊び、交歓する。
冒険好きで帰国する妻を空港に迎えに行って、ガードマンにロビーでホームレスと思われた話。
旅先で食べた、麺の辛さのランクが「絶叫」「地獄」「即死」となっていて、注文の品を運んできたウェイトレスの「即死の方はどちらですか?」に注文者が「ぼくが即死です」と、まじめなやりとりをしていた話には、大笑いだった。

(感想)
◆ 何気ない話を書きながら、人生のこと。親子や家族のこと。友人のこと。
偉そうな権威や、嘘っぽいものを嫌う独特の視点がスカッと小気味いい。

日々が何気なく語られながら、印象に残ったのは二つの「約束」。
一つは、サンフランシスコで暮らす孫の「風太くん」との約束。
電話の、脈絡のない会話が楽しい。
ある日の会話の中で、風太くんが家族とレストランにいた時にみた、チンピラ同士の撃ち合いで15歳の少年が死んだ出来事の後に、かかってきた電話。
「じぃじぃ」の椎名さんと風太くんとのやりとり。
「じぃじぃも死ぬの?」… 
「じぃじぃは死なないよ」「死なない?」
「うんやくそくするよ」「やくそく?」


もう一つ。
癌の末期の友人の写真家・高橋の見舞い。
以前、彼と一緒に行ったモンゴルのトーラ川のキャンプを思い出しながら、
元気になったらトーラ川に絶対行こうぜ。「約束だぞ」と病室で交わす会話。

心の通い合う「約束」って、こんなに深くていいもんなんだなぁ~と思った。

「いいかげんな青い空」という題名だった連載を「大きな約束」に改題した素敵さを感じた。
つくづくと、いい読み物を読んだ歓びでいっぱいになった一冊。

(椎名誠 著「大きな約束」2009.2集英社)


本命くじら

Author:本命くじら
 本が好きです。自然も好きです。
人間という生き物にキョウミシンシン!
本は快楽。本はエネルギー。…ってことで。
 よろしく!

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