2017 / 04
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◆(ものがたり)

30歳になろうとするロックバンドのメンバー・三田村信也が、中学1年生の頃同居していた、チキさんと家族の日々を回想した物語。

中学生の信也が、小学生の妹・亜由美に、見知らぬモヒカン頭の男が台所にいると起こされた。
それが、離婚してスナックで働いている母が、家に連れてきたチキさんとの出会いだった。

彼には不思議な超能力があり、秘密の組織から追われているという…。

◆(思った)

見かけはともかく、優しくて料理がうまいチキさんが作ってくれた料理の一つが「満月ケチャップライス」。
チキさんが二人に授けてくれた、触らずにスプーンを曲げる超能力よりも、おいしくて元気が出る食べ物だった。

すごい超能力よりも、一緒に過ごした日々や、一緒に作って食べたこと。相思の関わり合い。
そんな時間や空間の中に、心の深いところに力をくれて、その後の生き方をつくるヒントがあるのかも。

不思議な物語の上手い朱川さんが、チキさんという特異な男を配して、家族の意味を描き出した一冊。

(「満月ケチャップライス」朱川湊人著 2012.10 講談社)

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この題名の響きが、なんかワクワクして、単純に嬉しい。

◆ ローンを抱えながら、二時間半の長時間通勤をする、風采の上がらない平凡なる43歳の会社員・鶴ケ崎に、
ある日、セクシーな悪魔・サターナが、鏡の中から現れて耳打ちする。
今日のあなたは、どんな願いも叶う素晴らしい一日「神さまのサービスデー」なのだと。
そこに、あたふたと、普通の会社員のような男・サービスデー管理課次席主任・第二級天使ガブリエルがやってくる。
本人に知られてはまずいその事実。
知ってしまったあなたの、よりよいサービスデーのために、私がそばでアドバイスしましょうと…。
つまりは、暴走させない見張りつきサービスデーが始まる。

鶴ケ崎は、やってみたかったことを始める。
仕事の時間中に「オレは遊んでくる。君らは働け。」と宣言して出かけたり。
とてつもない美人に声をかけて、一緒にお茶を飲んで好意を抱かれたり。
契約に行き詰った部下のSOSに、アポもとらずにいきなり得意先に乗り込み、
不可能とも言える条件で大きな契約に至ったり…。
順風にみえるサービスデーに、突然の波乱…。
さてさて、どんな結末に…。 「本日、サービスデー」
◆ この本の約半分を占める、中編の表題作「本日、サービスデー」は実に楽しい作品だ。
笑えて、ほろりとさせる。

何でもかなう、人生のサービスデーがあったらいいなぁと夢見る。
でも反面で、「何でもかなう日」があったら、人間の欲望や傲慢でいい気になって、とんでもない事態を
引き起こすかも。この話は、まさにそんな事が描かれている。
やっぱり、思うようにいかないことの連続でも、時々いい日があって、しみじみと嬉しい、稀な瞬間を味わうってのがいいのかも。

◆ 他に、犯罪や事件に関わるものをコレクションする人間の集まりを描いた「東京しあわせクラブ」。かなりブラックな話。人間には優しさと残酷が同居している。

◆ 日下部さんのアパートの部屋に住む、るり子という名の右手首だけの幽霊の話「あおぞら怪談」。


◆ ザリガニツリを通じて「気合」を感じとり、逃げない自分へと脱皮する話「気合入門」。

◆ 二十歳で自殺した早織が、三途の川の渡し場で、渡しの船頭男との会話から自分の人生を見つめ直す話。
「蒼い岸辺にて」。
表題作の次に、印象的だった。
「育てないと孵らない卵」が、未来の夢なんだと男が語る言葉は、なかなかだった。
もっともっと暖めて孵してくれぃ!と、自分の中の卵も、言っているかも…。

朱川さん! 旨いっ!


(朱川湊人「本日、サービスデー」2009.1光文社)


本命くじら

Author:本命くじら
 本が好きです。自然も好きです。
人間という生き物にキョウミシンシン!
本は快楽。本はエネルギー。…ってことで。
 よろしく!

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