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この言葉がとてもいいなぁ、憧れる。
「明察」とは「はっきりと事情、事態を見抜くこと。察しのよいこと」だと辞書にある。
でも、現実の自分は「明察」とは、ほど遠い所で、現実のあれこれの事態が飲み込めず、
ウロウロヨロヨロするばかり。
明快に真実が見えて、それに沿った人生の歩みができれば最高なんだけど…。
行きつ戻りつの、迷い道ってとこさ。
でもね、この物語は「天地明察」にいたる道は、やっぱ大変だぞってことを描いている。

◆これは江戸時代に、苦難の末に「大和暦」を確立していった渋川春海の話。
読み終えた今も「暦学」というものがよくわからない。
ただ、天地の運行を、先入観のない実証の眼・科学の眼でみて、それを反映させた暦を求めて
彼が生きたことはわかった。

言葉では簡単でも、それを行うのは至難の業だ。
時代の制約を様々に受ける。
囲碁を生業とする彼がその技能で、身分、数学、科学の時代的な制約を越えようと、打つ人生の布石が面白い。
周囲の、数学や囲碁の世界で独自の精神の自立をもった人との出会い。そこからの独創への刺激。
春海の才能を見抜いて支援してくれる人とのふれあい。
物語の後半に、出会ってから15年を経て寄り添うことになる「えん」との恋情もいい。
彼の人生は、人との交わりが、多彩で豊かだ。

◆順風で退屈そうな物語だと思った前半の印象が、後半のどんでん返しで、俄然面白くなる。
彼の挫折の痛みと、再挑戦の歩みの長大さ。
それを読みながら、人生の起伏も楽んじゃうような気分を
自分の中に育てられたらなぁと思った。

◆「天地明察」を求めていた、主人公の大事な思いが次の言葉にあらわれている。

人が惑うのは「…人が天を見誤り、その理を間違って理解してしまうからに過ぎません。
正しく見定め、その理を理解すれば、これこの通り」「天地明察です…」
(P444)

思い込みを廃して、天地に正答を見つける。
頭で、思っちゃいても、なかなか思いどうりにいかねぇのさ。(笑)
あわてないで「理」に目を凝らす。
そのために、どうすればいいんだろう?
それを考るのが「独創」というやつか。


(冲方 丁著 「天地明察」2009.11角川書店)


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本命くじら

Author:本命くじら
 本が好きです。自然も好きです。
人間という生き物にキョウミシンシン!
本は快楽。本はエネルギー。…ってことで。
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