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図書館書架でみつけて、初めて読んだ辻村さんの一冊。
結果はビンゴ! 近頃、当たりまくりの読書生活です。

誰もが死ぬことを、知っている。
死んで一番つらいことの一つは、当事者も、残される者も死によって、二度と言葉をかわせないことだろう。
現実では、二度とツナガラナイ別れが「死」。

◆(ものがたり)

この物語は、使者(ツナグ)が、生者と死者を、一生に一度だけ仲介する。両者を「ツナグ」(高校生・渋谷歩美が使者)物語。生者が、会いたいという希望を使者から再会したい相手に伝えてもらい、相手が了解してはじめて再会できる.

「アイドルの心得」

突然死したアイドル・水城サヲリ。それは以前、酒席に同席して友人に見捨てられて、路上で過呼吸で苦んでいた時、地味で人間関係が苦手だった平瀬愛美を介抱してくれた人だった。そして再会を依頼する。

「長男の心得」

そつなく疑り深い畠田康彦。長男として頑張らなきゃと、家業を継いで生きてきた彼が、二年前、病名を告げぬまま亡くなった母に再会する。

「親友の心得」

容姿も、演劇部における演技力にも自信があり、親友・御園奈津の褒め言葉を肯定してきた嵐美砂。彼女が、憧れていた演劇部の上演作品のヒロインに奈津が立候補、嵐は、思いがけなく落選する。嫉妬した嵐は、奈津が出られなくなれば、役が巡ってくると、ある行為に及ぶ。奈津は翌朝、交通事故で亡くなる。自分の企みが原因で死んだのか?であれば、自分の企みを隠したいと彼女に会うが…。

「待ち人の心得」

土谷功一。9年前に出会い、7年前に結婚するはずだった日向キラリが、プロポーズした後、友人と旅に出ると、嘘をついて出かけて、そのまま失踪する。
彼は騙されたのか?それとも、彼女の身に生死にかかわる事故が起こったのか?逡巡しながら使者(ツナグ)に再会を依頼すると、彼女は亡くなっていたことが分かる。彼女から使者を通じて、会いたいと伝言されるが土谷は、当日になって、彼女と再会するかどうか悩み続ける…。使者である「ツナグ」が土谷の翻意を必死で促す場面を始め、くぎ付けにさせる場面の連続の傑作。

「使者の心得」

歩美が使者になった経緯。仲が良かったはずの彼の両親が、なぜ悲劇的な形で亡くなってのかその真相がわかる。様々な謎が明らかにされてくる一話。

◆(思った)

「親友の心得」の心に残る痛さ。「待ち人の心得」の深い感動。この二作は特に印象的。


◆ 親友に嫉妬して、やってはいけないことをした嵐美砂。深くて痛い心の傷を背負うことになる「親友の心得」は、痛々しくて哀しい。

◆「待ち人の心得」は、群を抜いて感動的だった。
改めて、生きている時を、大事にしなけりゃなぁ~と思った。
印象に残った場面がとても多い。
心から彼を愛して、出会えたことに無上の幸せを感じて、新しい明日をつくるため喧嘩していた実家に向かう途中、不慮の事故で亡くなる「待ち人の心得」のヒロイン・日向キラリが、再会して、彼に思いのたけを伝える場面。そして、迷った末に彼女の話を聞いて、決意をあらたにする土谷の思い。
読みながら、何度も涙があふれてきた。
本って、こんな時間が欲しくて読むんだよな。

偶然ですが、最近続けざまに言っちゃうよ。
強くつよく、おススメの一冊です!



(「ツナグ」辻村 深月著 新潮社2010.10)

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本命くじら

Author:本命くじら
 本が好きです。自然も好きです。
人間という生き物にキョウミシンシン!
本は快楽。本はエネルギー。…ってことで。
 よろしく!

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