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大好きなファッション雑誌の編集に憧れて、やっと入社した景凡社。
河野悦子(こうのえつこ)という名前にピッタリだと配属された先は、希望と異なる「校閲部」。
しかも、関心のない文芸作品を担当させられる。ゲラ原稿を読んで誤りを訂正する地味な仕事をこなしつつ、希望部署への移動を目指して奮闘する校閲ガールのドタバタな日々。

「第一話 校閲ガール!?」
「第二話 校閲ガールと編集ウーマン」
「第三話 校閲ガールとファッショニスタとアフロ」
「第四話 校閲ガールとワイシャツとうなぎ」
「第五話 校閲ガール〜ロシアと湯葉とその他のうなぎ」
「エピローグ 愛して校閲ガール」。


コメディタッチで笑える場面満載の一品。第一話は大辞泉、第五話は広辞苑と五話夫々に異なる種類の辞書の「校閲」定義がのっていて、言葉を扱う話にピッタリ。同じ部の女子っぽい男・米岡光男、悦子が担当するエロミステリー作家・本郷大作、本郷を担当するテキトー編集者・貝塚、悦子の同期森尾、藤岩、先輩の今井、近所の不動産屋で、いつも悦子の部屋に出入りする木崎加奈子、イケメンモデルで覆面作家の是永是之など個性的な人物たちと巻き起こす事件が楽しい。初めはピンとこなかった校閲の世界が少し見えてくる悦子。

「文芸の校閲がやりたくて出版社に入った米岡は、日本語をより正しく美しく整えてゆく作業にエクスタシーを感じるという。その感覚が聞いた当初は判らなかったが、今日初めて判った。ファッションに存在するルールは季節ごとに変わり、そのルールを学ぶためのものがファッション雑誌だ。文章に存在するルールも、媒体や筆者ごとに変わる。ルールを学び、体現していく作業。悦子にとって遥か彼方、というか別の宇宙に存在していたファッション雑誌と校閲が、今日、ごく細い糸でだが、つながった。」(P220)

過度な化粧や、業界のPRにのせられた、やみ雲なブランド志向のファッションはどうかと思うけど、より豊かな生き方を探して自分を整えることは、アリだと思う。完璧な人間はいない。いたらない自分や弱さを直し整えていくために、ファッションも校閲もあるのかもしれない。

「校閲」人を信じ高めようとするもの。
良く似た行為に「検閲」がある。人を疑い秘密にするため事実を隠そうという考え方。先の戦争で「検閲」しまくった「治安維持法」の思想と今の「政治屋さんたち」が進めようとする「秘密保護法」はウリフタツ。隠したい法律の先には戦争する国作りと、「死の商人国家」への志向が透けて見える。戦争は政治に無関心な人の人生も、強制的にメチャメチャにする。好きな本ぐらい、楽しく、読ませてくれぃ!

お~っと、ダッセン!
「校閲」で文章をもっと美しく整えようという情熱が、名作を、より熱く面白くしているんだね。
本好きとしては、「校閲ガール」にも、ボーイにも感謝デス。

(「検閲ガール」宮木あや子著(株)KADOKAWA 2014.3)


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本命くじら

Author:本命くじら
 本が好きです。自然も好きです。
人間という生き物にキョウミシンシン!
本は快楽。本はエネルギー。…ってことで。
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