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「NO.6」は、あさのさんの作品の中で一番好きな作品だ。
この巻では、聖都市NO.6が抱える闇の場所である矯正施設。その地の底にやってきた紫苑・ネズミが、その創世にかかわった一人である長老の口から、NO.6が生まれてきたいきさつを聞かされる。理想都市を目指したはずだったものが軍備を備え、虐殺さえも侵してきたその歴史とは…そして、謎に満ちたネズミの過去…。

物語に出てくる印象的な言葉たち。それも魅力だ。 
例えば紫苑の思い…「自分に言い聞かす。信じろ。ぼくはぼくなりに力を蓄えている。自分を信じきれ。自己嫌悪に陥ることも、挫折感に浸ることも、容易くはあるけれど意味はない。自分を信じることは力だ。その力を糧として、武器として、乗り越えられる困難は数多ある。」(P14)
「自分で答えを探す。掴む。読み解く。たとえネズミであろうとも、他者は他者。他者の言葉に寄りかかっていては、真実は捉えられない。想像を超える現実と対峙できない…。自分で捉えるのだ。」(p17)。

ネズミの激しさ厳しさの中に流れる優しさ。強靱な精神力と行動力。彼はかっこいい!
 ネズミにあこがれ、未知の世界を知りたいと思い、狭い自分を乗り越えようともがく紫苑。共感し、応援したくなる。持ち味は違っても、NO.6に戦いを挑む、彼らの気合いが元気をくれる。悪態をつきながらも、彼らを応援するイヌカシも粋だ…。

新刊を読んだばかりなのに、続編が楽しみだっ。

あさのあつこの「バッテリー」も好きだが、個人的に一番好きなのは、「NO.6」だ。その作品に、ネズミと称される登場人物がいる。
クールで強くて逞しい、魅力的なキャラだ。

小説を離れた次元の違う話だが、ブルーハーツというバンドの歌に「リンダ、リンダ」がある。

♪ ドブネズミみたいに
       美しくなりたい
     写真には写らない
        美しさがあるから
           リンダ、リンダ… ♪


一見、非情で冷たいように見える、「NO.6」のネズミは「写真には写らない美しさ」を持ってる。「優しさ」「温かさがある」。
この歌はまるで「ネズミ」の主題歌のように聴こえるのだ。