2008 081234567891011121314151617181920212223242526272829302008 10
◆ 信長の時代から秀吉政治の末期、三成が権力をふるう戦国の世。
三味線引きの藤次郎、舞い踊るちほ、太鼓打ちの黒人・弥介、
笛吹きの小兵太らの若き芸人たちが、音に遊び舞い踊りながら、
息苦しい強権政治に反旗を高々と掲げる…。

◆  芸を宴会の、添え物としか見ていない商人。
それまで自由だった、河原者まで権力で取り締まる三成の政治。
金や権力で芸人を見下し支配下におこうとする者に声をあげ、
自由を求めて音楽と踊りを楽しもうとする若者たちが、イキイキと熱い存在感を放っている。
封建の時代の底流に、自由を渇望するエネルギーの奔流を描き出す、冴えた筆力。
最後のページまで、激しいナマの音楽を聴いているようなオモシロサがある。
読み応え大ありの一冊。

楽しみな作家が生まれた。
どしどし、面白い小説を読ませてくれ〜ぃ!

(※三成の政治の現実が、これに近かったかどうかは、小説なのでわからない。
かなり異なる説もある。
権力を、非情な形で使うとこうなるという為政者の典型として出てくる…。
 なお、作者の対談で「ちほ一座」は歴史の文献に、内容不詳で現存していた名前だとの
ことです。どんな一座だったか興味あるなぁ。)


(天野純希著 「桃山ビート・トライブ」 集英社 2008.1)