2017 / 08
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雨のバラ2
あの「鴨川ホルモー」のマキメッチの新作。
嬉しくてワクワクしながら読んだ。
冒頭のページの序から読書意欲を刺激する。
「このことは誰も知らない。
五月末日の木曜日、午後四時のことである。
大阪が全停止した。」


会計検査院の川の字のように見える身の丈の3人が、大阪に出張した。
長身で秀麗な美女・旭ゲーンズブール。調査能力の高さ・厳しい追及能力から「鬼の松平」と呼ばれ眉間にしわを寄せる凛々しい副長・松平(好物はアイスクリーム)。
ずんぐりとして中学生に間違われるような背丈と体型、憎めないキャラクターの鳥居。
出張した大阪の検査対象の中に「社団法人OJO」があった。
OJOとは?
大阪はなにゆえ「全停止」するのか?
プリンセス・トヨトミの正体とは?


◆ 会計検査院という、固いイメージの役所の仕事と大阪の歴史を結びつけ、大胆な構想力と、歴史への空想力を羽ばたかせて、楽しませてくれる物語。

アイスの好きな松平には、賢いだけじゃなくて情もある。
旭ゲーンズブールが、後半・元演劇部の力を発揮してメークと演技力を見せつける
芝居はスンバラスィ~「コノ、イッカノ恥サラシッ」だもんね。(爆)
憎めない「ミラクル鳥居」の存在が、物語に、笑と余裕の味付けをしている。

登場する中学生、茶子の逞しさと出生の秘密。
同級生・真田大輔の女性として生きたいという願望と周囲との軋轢、そして友人たちの思いも描かれている。

◆ 豊臣家に対する非情で姑息な徳川家の行為。そんな手法への人々反発がドラマの骨格になっている。「正直」な思いで生きている人たちへの共感が物語に流れている。
時代が変わっても、受け継がれていく人の心の絆のこととか、「伝える」ことの大事さとか。
目に見えるものだけが、人のすべてじゃないこと。
…など、大きな物語の中に、あれこれ楽しめる材料がゴロゴロ。

(万城目 学著「プリンセス・トヨトミ」2009.3文藝春秋)



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 懐かしい、笑える、ほろっとする。
三条木屋町居酒屋「べろべろばあ」で大宴会がしてみたい。

体長20㎝、頭がでかく四頭身で襤褸(ぼろ)着を纏ったオニたち千匹づつを、
引き連れて京都大青竜会・龍谷大フェニックス・立命館大白虎隊・京産大玄武組の
各大学で集められた十人の学生たちが、京都市内でオニを使って対抗戦をする。
このハチャメチャぶりに腹の皮がよじれた前作「鴨川ホルモー」。
本書は「ホルモー」を巡る六つの面白い景色をうつしだす。

「ホルモー」競技巧者の名物コンビであったり、競技で使う「懐中時計」の由来であったり
前作で印象深い楠木ふみさんに淡い恋心を抱く高校生であったり
新島襄がでてきたり、社会人が東京丸の内で、四人で合コンしたら
みんな学生時代「ホルモー」を経験者だったりする。
なんと「ホルモー」は京都だけではないことも判明する。

◆ 「第六景 長持の恋」が一番好きだ。
貧乏学生の珠美(通称「泣きのおたま」)が、空腹も満たすために
賄いつきの料理屋でバイトを始めて、蔵の用事を命じられる。
蔵の中には、女将の父が集めた、織田信長が使っていた「長持」(ながもち)があり、
その中に「板」があった。
この板を通して「なべ丸」と時間を超えた「文通」をすることになる。
なべ丸は、彼女と同年齢で過去の時代の人らしく、槍を使うのが特技らしい…。
「ホルモー」で、一人が担当するオニは百匹、戦いに敗れ自分のオニを全滅させると
「ホルモオオオオオオ―ツ!」と雄叫びを空に向かってあげる。
すると「何かが訪れる」。
珠美もこの経験から何が訪れるのか不安に思っている。
その結果が過去との「文通」だが、その文面が候文だったりするし、
その文が読めて、おたまの右手が勝手に動いて返事を出してしまうのも笑える…。

でも、この話は、可笑しいだけじゃない。
少し哀しくて、時を越えた人への思いも伝わってくる。味がある。
京都大青竜会のメンバーで、この現代で、なぜか10ヶ月を
チョンマゲ姿で暮らしてた変人?の高村が、とても好きになった。
「ありがとう、私をみつけてくれて」のおたまちゃんの言葉。沁みるなぁ~。

◆ プロローグ
第一景 鴨川(小)ホルモー
第二景 ローマ風の休日
第三景 もっちゃん
第四景 同志社大学黄竜陣
第五景 丸の内サミット
第六景 長持の恋 
という第六景は、圧倒的な笑いの中に叙情性も、人への愛着もにじみ出ている。
やるなっ!大好きだぁ~マキメ~っち。


(万城目 学著「ホルモー六景」 角川書店 2007,11)



本命くじら

Author:本命くじら
 本が好きです。自然も好きです。
人間という生き物にキョウミシンシン!
本は快楽。本はエネルギー。…ってことで。
 よろしく!

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