2017 / 10
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◆(ものがたり)

小学五年生の重森昇治は、一人で船に乗り小笠原の父島にくる。
父親が自殺し、母に恋人ができ、母が以前バイトをしていた「ジュークボックス・カフェ」という店をやっている、エーブという老人のもとに、母が迎えに来るまで一時的に身を寄せるように言われたから。
昇治は、母が、もう自分を迎えに来ないのではないかと思った。
父の自殺が、彼に、人生は抗えない運命に生きることだという諦めの思を抱かせた…。

エーブは、率直で格好いい老人だった。彼の店になジェセ、ナサ爺などの元気な老人たちがやってくる。
その店の窓辺に、いつも誰も座らない「予約席」があった。

その島で、昇治は、冷たい目をした小学六年生の加絵に会う。
彼女は、一緒に来た父が「自殺しそうだ」と昇治に語る。

昇治は母と再会できるのか。
店の「予約席」の意味は?
加絵父子はどうなるのか?


◆(思った)

川上さんといえば「翼はいつまでも」が一番好き。超オススメ。
「ららのいた夏」も好き。
最近の作品では「渾身」がある。壱岐諸島で20年に一度行われる古典相撲大会にかける男と家族を描いた作品。映画化もされた。クライマックスの相撲の場面は迫力ある映像で、まさに「渾身」の姿が画面に繰り広げられて素晴らしかった。

さて、今回の作品ですが…。
めったに出ることのない、満月の「夜の虹」を見た人には奇跡が訪れる。それが「月の魔法」。
果たして誰かが「月の魔法」に出会うのか?それは読んでくだされ。
青春小説というより、ファンタジー小説として読んだ。

この本から思ったこと。
それは
「心の中の大切に思っている人のことや思いは、運命だと諦めたり受身で待つんじゃなくて意志を持って大切な人に伝えよう。こうしたいという思いを、自分の中で育て続けよう」

ってこと。

(「月の魔法」川上健一著 角川書店2013.1)

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命のリズムと祭り囃子は、どこかで響きあっている。
、生きる元気を身体の奥から呼び覚ましたり、懐かしい記憶を思い出させてくれたり、どこか、もの寂しいような感情も生まれてきたり、そんなことを読みながら思った。

◆ 末期がんの母・菅子を車に乗せて、ある事情で50年間帰っていない故郷に向かう沢田庄司。
車中で初めて知る母の生きてきた道。生きる分岐点にでてくる祭り囃子の思い出…。(「ヤッテマレ」)

◆ 初めて大綱引きに加わった時傍で、助けてくれた憧れていた人の思い出…。(「ジョヤサノ」)

祭りのお囃子と人間模様の交錯を描いた8編を収録。祭り会場と作品名は次の通り。
青森五所川原の立ねぷた祭り「ヤッテマレ」。秋田刈和野の大綱引き(「ジョヤサノ」)。沖縄のエイサー祭り(「ハァーイーヤア」)。岐阜郡上八幡の郡上おどり(「アソンレンセ」)。富山八尾町おわら風の盆(「キタサノサ」)。東京浅草鷲神社の酉の市(「ソレソレ」)。奈良阿紀神社のあきの蛍能(「イヨーッ!」)岡山西大寺の裸祭り(「わっしょい」)。

◆ ウキウキさせたり、思い出に浸ったり、一歩踏み出す力くれたりの様々な祭り囃子をめぐる物語。
祭り囃子と人の物語は、もっともっと、面白い物語を生み出す可能性があるのに、この作品集は、ありがちな話と、ご都合主義の場面が出てきて残念だった。
それでも「ヤッテマレ」は好きだよ。
この作品を、もっと丁寧な長編作品にしたら面白いだろうなと思った。
大好きな作家のひとりで、期待している分、もっともっとと思ってしまう。

(川上 健一著 「祭り囃子がきこえる」 2010.8 集英社)

 隠岐島(おきのしま)の相撲大会の取組の一日。特に英明と田中敏夫の両大関の決勝戦を描いている。二人が壮絶な闘いを繰り広げる描写は、手に汗握る迫力があって印象的だった。

日常のボクラの日々の中で、苦しい時の例えで「今、土俵際に立たされている」と表現したりする。
この小説では英明が、不眠や不安と闘いながら決勝戦の土俵で相撲に臨む姿が描かれている。そこには「どうせ無駄だ」という諦めの心を超えようとする姿がある。苦境のとき踏ん張って全身のエネルギーを集中する「渾身」で生きる彼がいる。

 「渾身」とは、実は自分を諦めない心のあり方や、生き方と強く繋がっていて、そこから発散される力のこと。そんな生き方が、自分も、家族も人との絆もイキイキとさせるんだなぁ。そんなことを思った一冊。

本命くじら

Author:本命くじら
 本が好きです。自然も好きです。
人間という生き物にキョウミシンシン!
本は快楽。本はエネルギー。…ってことで。
 よろしく!

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