2017 / 08
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同じ武蔵野美大を卒業した後輩二人。
西原理恵子、リリー・フランキーとの対談。

ハチャメチャに見えて、繊細。
繊細に見えて、大胆。
そんな佐野さんの人柄が感じられる。


今まで彼女の「百万回生きたねこ」や、笑いすぎて苦しかった何冊かのエッセイを読んできた。
この本は、佐野さんが、リリーさんとの対談の続きを残して逝ってしまった絶筆ならぬ絶談の書。(次回のテーマは「エロス」だったとか。)
でも、亡くなってしまったというより、予定していた「旅行に行ってくるワ」と出かけていったような感じだ。

「百万回生きたねこ」のことを、平凡な人生の事を書いた本だといい。
その、平凡な人生を全うするのは至難の業だと言っている。

対談の「生きるということ」の章では「生まれてくるのも死ぬのも、自分の意志ではないわけでしょ。
生きるというのは、死ぬまでのひまつぶしという感じがするんです。」(P162)
と言っている。

ひまつぶしという語感は、脱力した生き様を感じさせるが、初めて絵本原稿を、売り込みにいった出版社でのエピソードが語られている。そこで、編集者から主人公を変えるように言われた佐野さんだが、出版しなくていいやと譲らなかった。その創作姿勢には、大事なことは貫く頑固ねえちゃんの姿が浮かんでくる。

素敵な「ひまつぶし」の時間を歩いて、旅に出た佐野さん。
お見事!

(「佐野洋子対談集 人生のきほん」2011.2講談社)

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◆ 「100万回生きたねこ」を読んだ縁で、彼女のエッセイを読みだした。
思ったのは、言葉はこんなに面白いのかってこと。
観察眼の、目の付け所の楽しさ、ユニークさ。
まさに、この人がであって、見たものだ。

◆ 思い出す人の口癖とか(「逆に言えばナ」「人をあやめちゃいけないよ」
「私はそう思うの」など。人物の声が、ボクの頭の中でリフレーンする。)
そこに、連なる思い出が綴られている。

たくましい。むきだしの生の痛快さ。
心を楽にしてくれたり(「産んだだけなのよね」)、
特別な付き合いはないのに、そこにその人がいるだけで、心が救われるような気持ちになる。
そんな友だちが入院してしまったときに、元気になってほしいと痛切に願ったりする(「大丈夫だったら」)。

◆ 読み出したらとまらない。
…で、あるから…。
…と、いうわけで…。

目下のエッセイ読書は、佐野洋子ドノです。

(佐野洋子 著 「ラブ・イズ・ザ・ベスト」 新潮文庫)
 


悲しみの栓だった
とらねこが死んだ。

王様も、
船乗りも、
手品つかいも、
どろぼうも、
おばあさんも、
小さな女の子も
好きだった 嬉しかった…。
その ねこと いっしょにいることが。

「栓」が抜けた。
心の哀しみの穴をふさいでいたのに。

ごーごーと冷たい風が とまらなくなって
 心が 震えて
おんおんと みんな 泣いた。


100万回生まれかわって
一度も泣かなかった
とらねこも
初めて泣いた

いっしょにいると
初めて うれしいとおもった
白いねこが
死んでしまった…

ごーごーと冷たい風が とまらなくなって
 心が 震えて
おんおんと とらねこは 泣いた。

そして
白いねこの隣で
動かなくなった
今度は 生まれかわらなかった
…とらねこ。
 
 
(佐野洋子著「100万回生きたねこ」講談社1977.10)

◆ 年代や置かれた状況によって、いろいろな感想がありそうな
この童話を、おじさんという年代になって、最近やっと読んだ。
物語りもだけど、挿絵も楽しい。
思ったこと二つ。
一つは、避けられない「死」。それによる別れの空白感。
でも、その運命を知っているからこそ、出会えたことを歓ぶ。
それは、生きる楽しみなんだってこと。
二つめ。人任せで自分自身が空虚で、嬉しくない「生」はつらいなぁってこと。
生きるって、何だろうね。
心のツボを刺激する物語だった。読み返したくなる童話だった。

あなたは 何を思った?


今まで気づかなかった、心の奥の調理場に、
ひっそりと置かれている鍋があったとしよう。
それを、ぐるぐると、かき混ぜるように読むのです。
すると、不思議な料理が出来る。
食べると
うま~くて、元気のでる料理 が できてしまう。
…そんなかんじの
佐野洋子のエッセイ「ふつうがえらい」は
「笑を こらえるのが えらい」

(佐野洋子著「ふつうがえらい」新潮文庫)





本命くじら

Author:本命くじら
 本が好きです。自然も好きです。
人間という生き物にキョウミシンシン!
本は快楽。本はエネルギー。…ってことで。
 よろしく!

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