2017 / 10
≪ 2017 / 09   1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 - - - -  2017 / 11 ≫

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


寡作だけど出ると、すぐ読みたくなる小説家。その加納さんの新作。
喜び勇んで、すぐに本屋に走る。
変った題名の作品だと思ったら、小説じゃなく闘病記だった。

◆2010.6月貧血がひどくて検査してもらった。
結果は「急性白血病」の診断だった…。

彼女が調べて、ここに書いているデータでは、発症率年間人口10万人に5.3人(1999年データ)5年生存率35%。
その少ない発症率の白血病の中でも、このタイプの遺伝子異常の発生率は患者全体の1%という珍しいもの。
治療しなければ、数週間から数ヶ月で死亡するというネット情報を加納さんは読む。

これは闘病記だけども、加納さんらしい筆致。ユーモアと温かさをたたえた血の通った文章だ。
大変な病気なのに、好きなコミックやサッカー観戦をしながら病院生活を送る。
家族や院内で接する人たちとの関わり方や心の動き、病院食や読んだ小説やコミックの感想も面白い。
とてもプライベートな、加納さんの人柄や日々が綴られている。
家族・友人の強い応援や、ネットや書籍を読みこなして、医師に質問しながら病気に向き合う。
時には「『あれ、ひょっとしてもうダメ?』的なことを考えてしまった。」(P184)
という緊迫した記述もでてくる。

◆ 本書は、加納さんが命と向き合いながら紡いだ「生きるんだ」という濃密な意志を伝えてくれる
意欲と知恵の宝物のような記録だ。

興味のある人は、著者がぜひ読んで欲しいという「あとがき」から読むといいよ。

ますます、加納さんが好きになった。


(加納朋子著「無菌病棟より愛をこめて」 2012.3 文藝春秋)



スポンサーサイト

 じんわりふんわり加納節。つい読んじゃう人です。本の題名もいい。子供の頃も今も、暮らしの中に不可解な出来事や人の様子がある。そんな事件の謎を解いていくことに憧れるのはいいなぁと思う。子供でも大人でも。話の筋はおくとして、いろんな子供たちが出てくる。森(しん)、十時(ととき)あや、ココちゃん、竹ちゃん、勝、そしてパック。

特にミステリアスなパックの存在。ある時は、実体のない五年二組の鈴木君だったり、野良犬を自認したり、学校に行かないのに勉強ができたりする。読んでいて、どんなヤツかとっても気になる。
彼は、世界に存在しないことになっていて、親兄弟のない天涯孤独のはず…。まわりの子供たちの助けが必要だけど、それ以上に子供たちはパックを必要としている。そんなヤツだ。そつなく、子供たちの家を泊まり歩いたり、親友同士を引き裂くことになったバカオヤジに、ひとあわふかすという知恵と行動力も持っている…。

「名探偵にあこがれて生きるっちゃ!」(と加納さんは、ボクに言っているんじゃないかなと思った。)
パックを登場させることで、例え孤独で苦しいときでも、「恐怖や不可解の理由」を解き明かして、心の荷物を軽くするような歩みをしよう、と言っている。
「友だちと知恵」を持って、新鮮な目と、耳を持とうと言っている。
生きていることの日々の謎を解いて、本当の絵を完成させる、そんな探偵のハートを持とうぜと言ってる。


加納朋子「ぐるぐる猿と歌う鳥」(講談社 2007/7)





本命くじら

Author:本命くじら
 本が好きです。自然も好きです。
人間という生き物にキョウミシンシン!
本は快楽。本はエネルギー。…ってことで。
 よろしく!

09 | 2017/10 | 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。