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◆ エッセイが大好きな、高田さんの本を久々に読んだ。
ゆったりとした題名がいい。
大英博物館に保存されている、200年前の書籍がほとんど風化状態なのに対し、
和紙を使っている正倉院の古文書が、1300年たっても状態を保っているという。
今では、あまり身近にない「和紙」の成り立ちや、なぜ長持ちするのかがわかる。

◆ 信州北部、飯山盆地で作られていた「内山紙」(強靭な障子紙)のことが特に印象的だ。
豪雪の地で、和紙を強靭なものにする特有の技法として、乾いた雪に楮(こうぞ)の皮を晒す
「雪晒し」があるという。
 かつてこの地方の農家が、長い冬の収入源として行っていた紙漉き作業は、紙を作る喜びと共に家族に会話や絆をもたらして、暮らしの中に「活気」を与えていた。
農業の副業のような紙漉きが、実は村や人のあり方から見ると、むしろ本業の意味をもっていたのではないかと述べている。
「農耕」が自然の改良なのに比べ「紙漉き」は
「自然に寄りそって自然の恵みを受けとるもの」(P65)

これは稲作文化ではなく「山の民の文化」だとも…。

◆ 「和紙千年」を読みながら思った。慌しさを増して心の余裕を奪っているように見える社会、それを生み出しているのは人間。
でも同じ人間が、こんなゆったりとした文化も生み出して来たんだ、と愉快な気分になる。
人には、こんな知恵や生き方だってあり得るんだよ。
これを知ったから、どうということはない。
でも、知っているほうが嬉しい気分になる。
自然の純粋な恵みから生み出される「和紙」が、今後も永い命を持ち続けるには、
変わらない自然環境が必要。
これからも、そんな自然が続いて欲しいという著者の願いも伝わる一冊。



(高田宏著「和紙千年」東京書籍1993.7)


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本命くじら

Author:本命くじら
 本が好きです。自然も好きです。
人間という生き物にキョウミシンシン!
本は快楽。本はエネルギー。…ってことで。
 よろしく!

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