2017 / 06
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◆ 「島原の乱」を題材に、読み応えありの気合の一冊!
松倉家の絶望的な政事に耐え切れず、若者仲間と教会跡にこもって蜂起のきっかけを作る若者・寿安。一見従順に悪政に従っているようで、心に芯を持った旧軍役衆で、今は庄屋の甚右衛門。
儲けではなく、人々の命に目を注ぐ医師・外崎恵舟。
彼らの生き様を通して、人の愚かさ、むごたらしさ。戦さの哀しさ。
同時に、人の優しさ、命のいとおしさや強さをもダイナミックに描き出す時代長編。

◆ 民衆を年貢を納める道具のように扱った松倉家の政治と現代の類似。
年間3万人が自殺し、社員を解雇し住居をでるように宣告する企業。
政治らしい政治ができない政府。
「島原の乱」の時代とは違うはずなのに、ダブって見える。
これは、今に繋がる物語でもある。

◆ 寿安・甚右衛門。恵舟たちが抱える孤独が沁みる。
光が見えてこない暗闇でそれでも光を探すかれらの思いが、励ましの声のように思える。

行く先も見えず、闇夜に立ち尽くすような孤独なとき…。
ちっぽけで軽い自分の命に嘆き、生きがいが感じられないとき…。
ボクらは、どう生きたらいいんだろう…。

◆ 主人公・寿安は様々な体験の中で多くの死に対面する。
病気にかかった子供たちを、治療にいくと、安らぎとよろこびをこめて、寿安の名を呼ぶ。
彼は、子供のそんな声音を思わず真似て「生」をこんな風に感じる。
「蜂起でも、傷寒でも、赤斑瘡でも、多くの生命が目の前で消えて行った。死こそが実は永遠の本源であり、生は一瞬のまばゆい流れ星のようなものに思われた。その光芒がいかにはかなくとも、限りなくいとおしいものに思えた。」(537)(※くじら・注「傷寒」「赤斑瘡」は流行り病のことです。)

◆ この一瞬の「生」の時に、ボクらは何を込めよう?
星を探したいと思う。
例え無力でも、あきらめないこと。…大事かも。

(飯嶋和一著 「出星前夜」 2008.8小学館)


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本命くじら

Author:本命くじら
 本が好きです。自然も好きです。
人間という生き物にキョウミシンシン!
本は快楽。本はエネルギー。…ってことで。
 よろしく!

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