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◆ 医師・鎌田實さんと夜回り先生・水谷修さんの、週刊誌に連載された往復書簡。
今の社会に大切な問題を投げかけている二人の言葉。でも、読んでいると心がポカポカしてくる。
それは、二人が、人に向ける豊かで温かい眼差しを感じるから。
題名の「だいじょうぶ」は、戦争の国で白血病に苦しむ子供たちの治療をしている女医・タチアナ先生が、病気の子供たちを抱きしめながら、「だいじょうぶ、だいじょうぶ、私がついている」と語りかける言葉。柔らかで慈愛にみちて。
それは、二人の著者が読者に語りかける思いでもあるんだなぁと思った。
不安で冷えきった言葉に傷ついた心を、優しく抱きしめて語りかけるような…。
この本は、そんな言葉の宝庫だ。

◆ 「今日一日丁寧に生きていけば、明日は必ず来る」(151)という何でもない言葉が印象に残る。
「荒んで、落ち込むような暮らし」のあり方もある。
でも、良くも悪くも、暮らしは一日ごとの積み重ねという、当たり前のこと。
今日が上手く暮らせたら、明日も一日重ねるという平凡だけど、確かな営み。続けることで生まれる「力」を感じる。

◆ それは、以前ここで紹介した、落語家の小三治師匠が、高座で自分を見失いそうになると、呟く言葉の「小さく、小さく」に、どこか繋がる。
あの名人が「でっかい心で聴衆を飲み込む!」と言わない。
呑気そうに見えて、落語にかける激しい情熱。
生真面目過ぎるほどの性格。彼の日々を追ったTV番組で師匠の姿を知った。
「小さく、小さく」は、自分の心を落ち着けると同時に、どこか落語の真髄を表す言葉でもある。
噺の登場人物たちの、どこか脱力した生き方。のほほんとした人物たちの言動にホッとする。
血の通った原寸大の人間が感じられる。それは、バーチャルな閉じたものじゃない。
小さいかもしれないけれど、実は大きなものも持っている「人間」のある姿なのでは…。

◆ 話が脱線した。
この本は、重くて深い話を、わかりやすい、心に残る言葉で語り合っている。
まさに「だいじょうぶ」な思いがいっぱいの、一冊!

(鎌田實×水谷修・往復書簡 「だいじょうぶ」日本評論社 2009,3 )

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本命くじら

Author:本命くじら
 本が好きです。自然も好きです。
人間という生き物にキョウミシンシン!
本は快楽。本はエネルギー。…ってことで。
 よろしく!

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