2017 / 05
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小学校の同窓会の、三次会。
時は3月23日金曜の札幌ススキノのスナック「チャオ」。
40歳の有志5名、遠方から遅れて参加する同級生・田村久志を待つ。
ボトルを入れている常連・永田一太が、四人を連れて店に来た。
卒業以来28年ぶりの同窓会だ。
田村久志の小学時代の姿が、集う五人によって語られていく。

父を早く亡くし、着衣も、頭髪も、遠足の弁当も貧しい生活が感じられる田村は、
うつむきがちな少年だった。クラスにもう一人、ニヒルな少女・中村理香がいた。
「いつか、絶対、みんな、死ぬんだ」なにもかもつまらないと、彼女は泣いた。そのとき、田村は…。
第一話田村はまだか)。

腕白坊主のような池内暁が、職場で出会った、二瓶という男のこと。
二話パンダ全速力)。

焼酎いいちこを飲む、男子校の養護教諭・加持千夏と生徒の愛称キッドとの交流。
三話グッナイ・ベイビー)。

生命保険会社の営業所長、生保レディ20人の世話をしていて、女性とのつきあいには慣れているが、簡単に結ぶ男女関係が嫌いな、今も童貞の坪田隼雄。ある日、ブルースターと名乗る21歳の女性のブログを知る…。(四話きみとぼくとかれの)。

マスター・花輪春彦の過去。証券会社の課長で44歳だった一昨年、浮気が原因で、結婚20年目の妻から、だんなが定年になったら、別れようという同盟を知人たちと作っていたと告げられ、退職、離婚、禁煙、スナックの開店と激動の日々のこと。
離婚して、今はブライダルサロンで働く、ビールで酔いつぶれているエビスこと伊吹祥子のこと。
五話ミドリ同盟

田村との再会を待ちわびて、三次会で語り合う五人とマスター・花輪。
坪田が言う「田村のことを思うとき、おれたちの心は混じりけのないものになる」(196)と。
田村を待つ、彼らは「生まれたてみたいな」澄んだ目になる。と、花輪は思う。
そんな言葉の端々に、田村が来るのを、待ちわびる訳が見えてくる。
さて、田村との再会は?(最終話 話は明日にしてくれないか

◆ いろんなことを思った。
生きている実感とか、死と生きる意味のこととか。
自由な時間と、どうつきあって生きるのかとか。
つまりは人の「かけがえのなさ」って何だろうってこととか。

◆ 六話の連作の中で「第三話・グッナイ・ベイビー」は、愛称・いいちこ、こと千夏の話。
男子校の養護教諭・加持千夏が今も思い出す、19歳年下の生徒・キッドこと島村裕樹との出会いと別れ。
男子校の空気や匂い、当時34歳の養護教諭・千夏と生徒たちとの微妙な関係。そして、キッドとの、お互いに淡い恋心も含む、心の交流が濃密だった。母が亡くなり、母の実家の秋田に行くと告げるキッド。なまはげの口調で、千夏への思いを告げる場面は絶品!

(朝倉かすみ著「田村はまだか」光文社2008.2)



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本命くじら

Author:本命くじら
 本が好きです。自然も好きです。
人間という生き物にキョウミシンシン!
本は快楽。本はエネルギー。…ってことで。
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