2017 / 08
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「みつばコーポラス」の裏階段をきっかけに、展開される三つのファンタジー。
「裏階段」と言えば、寂れていて人がめったに来ないとか、汚くてじめじめしている。
もう一方で、子供たちにとって、独り占めできる秘密の場所でもある。そんな作中の表現もある。
秘密めいた場所から生まれてくる不思議な出来事。

◆ 玉ねぎを食べて、姿かたちが玉ねぎのようになって、身体を洗うたびに小さくなって、最後は消えてしまう(後で復活)人間の言葉を話す不思議な子猫と、小村学と妹くるみとその一家の話。(「タマネギねこ」)

◆ 裏階段にリコーダーの練習に来た小学四年生の一樹少年に、人の言葉で話しかけてきた、どくだみの茎でつくった「不運の笛」と、ひまわりでつくった「幸運の笛」を吹きわける不思議なクモの話。登場する、一樹たちが教わる音楽の先生のニックネームは「アリババ先生」。(「ラッキー・メロディー」)

◆ ものを開けるのが好きな、7歳の天野ナナと一家が出会った、いろんな煙を食べる「けむりおばけ・モクー」の話。(「モクーのひっこし」)


(感想のような…)
◆ 文句なく面白い三つの話。
どこか日陰者のような裏階段という場からうまれてくる、怪しく楽しい秘密のドラマたちはどれもいい。

二話目を読んでいると、嫌いな先生に密かにニックネームを命名していたことを、思い出す。
でもニックネームってどこかで親しみの気分もあって命名していたのかも。
こんな経験、自分にもあったなぁ。

リコーダーを吹くクモが演奏する、「幸運」や「不運」の笛で演奏する曲目がある、その命名も好きだ。
(「便所コオロギのお葬式に来た厠キリギリスとお手洗い松虫の悲しいすすり泣き」「ミノ虫の火あぶり」とか「モンシロチョウの初恋」とか。)どんな曲なんだと想像するだけで楽しい。

こんなかで「けむりおばけ・モクー」が一番好きだ。
熱望!モクーシリーズ。「モクーの大冒険」ってどう?(笑)

いたずら心とか好奇心とか、いつまでも新鮮でいたい感情(笑)
そんな思いが、ちくちくと刺激されて、頭をもたげてくる。
想像力や遊びの心のページを開くって、いくつになっても好きだ、いいぞっ!

(佐藤 多佳子著「ごきげんな裏階段」新潮文庫 2009.11)


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はなのこ
(*写真は2009.8.1岐阜県中津川市 はなの湖)

今まで、こんなケッサク読まなかったなんて

♪どうしたんだい 
   HE HEY ベイビー♪ 

って感じだ!


まさに「私のお気に入りの一冊」の殿堂入りだぁ。(爆)
解説を書いてる森絵都さんじゃないけど
面白い本は?と今聞かれたら、ためらいなくこの本っ!

題名から、暑い夏の日、読むのにぴったり。(もう、立秋過ぎたけど)
でも、四季それぞれの四話がみんな面白いし、繋がった話になっている。
つまり、いつ読んでも、ぴったりだ。
そんで、人物がいきいきと呼吸している。面白いったらねぇや!

メインになる話は、11歳の伊山進。12歳の姉・佳奈。
13歳の左腕を交通事故で失った浅尾広一の三人の出会いの夏と別れ。月日を経て再会する。

そこには、広一の交通事故で亡くなった父への思い。
同乗していて失くした左腕とピアニストへの進路への揺れる思いがあり、片手になって乗って転倒して以来、自転車に乗れなくなった、自分の中の「怖気づく心」のことがあったりする。
そして母の再婚のことや、暮らしを支えられない自身の年齢からくる無力感のことも思ったりする。
佳奈との、喧嘩別れの痛みも…。
そして、佳奈にも、進にも月日の中で見えてくるものがある…。

「サマータイム」(夏)
「五月の道しるべ」(春)
「九月の雨」(秋)
「ホワイト・ピアノ」(冬)の四話を収録。


(感想だけど…)
◆ 例え視覚的に見えないことでも、心の深い所で強く結ばれた本当の意味の約束は、月日を経て、本当のことが見えてくるのだなぁってこと。

◆ 第四話の「ホワイト・ピアノ」に、ピアノの調律師で、髪形からキタローさんと呼ばれる人が出てくる。「マイ・フェイヴァリット・シングス」を歌う。
ギャンブル好きで、外見がさえないという第一印象が、古い「ホワイト・ピアノ」への態度から、「色々なものを大切にせずにはいられない人」という、彼の本当の姿が、佳奈に見えてくる。
人の本当の姿、見える目を磨きて~。

◆ 三人の他に、広一の母のジャズピアニストの友子がいい。
そして三話「九月の雨」に出てくる母の恋人・種田一郎は、母がそれまでにつきあった
過去の恋人たちの傾向「音楽家でもなく」「渋いハンサムでもない」。
「灰色の貧乏神のような不景気な男」だった。
この男が又…。

あ~話し出すと、きりがないなぁ。

こ~んな、オモロイ本!!
  読むなヨォ~ ヨムナヨォ~ (笑)


(佐藤多佳子著「サマータイム」2003新潮文庫)


本命くじら

Author:本命くじら
 本が好きです。自然も好きです。
人間という生き物にキョウミシンシン!
本は快楽。本はエネルギー。…ってことで。
 よろしく!

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