2009 / 09
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彼岸花

青い空に白い雲。

川沿いの道には、真っ赤な曼珠沙華(ヒガンバナ)たち。


◆ 写真は、昨日の愛知県半田市の矢勝川堤。
「ごんぎつね」の童話作家、新美南吉が散策したという。
東西二キロに百万本以上の曼珠沙華が土手の道を彩る。



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オモシロ哀しい文体を久しぶりに読んだ。
懐かしくて、魅力的だ。
とにかく心地いい、椎名ワールド。

(物語)
◆ 「こんちくしょうめ」「風に揺れる木」「用意は?できてます!」「ふたつの島で」「花のまつり」「回流していく時間」「ブチクンへの旅」「山の上の家」「熱風の下」「きのこ街道」「冬の風」の11編を収録。
椎名さんの周辺の出来事を綴った、気分のいいエッセイ風私小説。

作家・椎名さんの日常は忙しげだ。
小説の連載を始め、企画連載の「各地の祭り」「麺」「釣り」の記事のために全国を巡る取材。
沖縄での毎週のラジオ収録。
講演。応募ルポなどの選考。
そんな事をしつつ、日々飲み食いをし、友人とあれこれ遊び、交歓する。
冒険好きで帰国する妻を空港に迎えに行って、ガードマンにロビーでホームレスと思われた話。
旅先で食べた、麺の辛さのランクが「絶叫」「地獄」「即死」となっていて、注文の品を運んできたウェイトレスの「即死の方はどちらですか?」に注文者が「ぼくが即死です」と、まじめなやりとりをしていた話には、大笑いだった。

(感想)
◆ 何気ない話を書きながら、人生のこと。親子や家族のこと。友人のこと。
偉そうな権威や、嘘っぽいものを嫌う独特の視点がスカッと小気味いい。

日々が何気なく語られながら、印象に残ったのは二つの「約束」。
一つは、サンフランシスコで暮らす孫の「風太くん」との約束。
電話の、脈絡のない会話が楽しい。
ある日の会話の中で、風太くんが家族とレストランにいた時にみた、チンピラ同士の撃ち合いで15歳の少年が死んだ出来事の後に、かかってきた電話。
「じぃじぃ」の椎名さんと風太くんとのやりとり。
「じぃじぃも死ぬの?」… 
「じぃじぃは死なないよ」「死なない?」
「うんやくそくするよ」「やくそく?」


もう一つ。
癌の末期の友人の写真家・高橋の見舞い。
以前、彼と一緒に行ったモンゴルのトーラ川のキャンプを思い出しながら、
元気になったらトーラ川に絶対行こうぜ。「約束だぞ」と病室で交わす会話。

心の通い合う「約束」って、こんなに深くていいもんなんだなぁ~と思った。

「いいかげんな青い空」という題名だった連載を「大きな約束」に改題した素敵さを感じた。
つくづくと、いい読み物を読んだ歓びでいっぱいになった一冊。

(椎名誠 著「大きな約束」2009.2集英社)


(物語)
◆ 「証人」「春遠く」「明暗」「控訴審」「最高裁」からなる三巻目。
法廷での論争の末の一審判決は「三木昭子は懲役6ケ月、弓成亮太無罪」。
検察側は控訴し、二審では初審を破棄して逆転敗訴。
弓成は、再び最高裁に控訴を申し入れるが、論争を認めず最高裁は、控訴を棄却。

法廷で、弓成に「そそのかされ」て秘密文書を漏らした、しおらしい被害者を演じながら、週刊誌に
自分を弁護し、弓成を貶める「手記」を発表。そして、ワイドショーにも出演する三木の人間性の表裏。
一貫して、三木を思い、かばい続ける弓成の心情。
そのことに気づく弓成の妻・由里子。
青果王だった父の死去。継いだ家業の破綻。妻子との別居。
天職に思っていた、記者生活から遠ざかる八方塞がりの日々…。

(感想)
◆ この巻では、ひと際、弓成の孤独とやり場のなさが深まっていく。
かばい続けてきた、三木の手記の嘘が、弓成の心をえぐる…。
真実を報道しようとした取材が、彼を記者生活からますます遠ざけていく。
果たしてどうなっていくんだろう。
迫力の法廷での論争。三巻の最後の場面。
哀しみの弓成が、応援した馬の最後の姿に自分を重ねる競馬での場面が、印象深い。
四巻。早く読みたい。

(山崎豊子著「運命の人(三)」文藝春秋2009.5)


花火

13日の日曜日の夕方、愛知県瀬戸市の「瀬戸物祭り」に行く。
近くに住んでいるけど、本当に久しぶり。

以前行ったときは、ほのかな桃色と白いコスモスの柄のビアカップ。
今回は、白地の真ん中に銀の満月の模様が焼かれて、座りの部分が
いびつで、それがいいと思った猪口を買った。

酒飲みだということが、ばればれの買い物? 
…気のせい 気のせいです…。

でもね!秋の名月がきたら、これでうまい酒を飲もう!(笑)

今年初めての花火も、嬉しかった。(写真)
9月の花火は、以前観た「諏訪湖」の花火いらいだ。
秋の花火。
虫の音の季節の花火も、いい感じだった。

◆ 待ちに待っていた、新しいアルバムが出た。
平原さんには、輝きに満ちた色があると思う。
ふくよかな香りを感じる。
その声。太くて強くて、低く高く、繊細。

ドリカム、サザン、井上陽水。
どんな、特徴ある歌手の歌をカバーしても
それは、彼女の歌になる。

◆ このアルバムは、時を越えて実現した、偉大な作曲家たちと、現代を生きる
彼女とのコラボレーション。
降り積もった「時」に練り上げられた、命あるクラシックの名曲たちと、
今の命の言葉たちが一つになって、新しい生命を育んだ。
そして…産まれ出た「別の命たち」みたいなアルバム。

ドラマ「風のガーデン」の哀しくて美しい場面を思い出す「カンパニュラの恋」「ノクターン」がある。
ドウォルザークの交響曲に、今を生き抜くことへの鮮烈な言葉が散りばめられた「新世界」もある。

ゆったりと一曲ずつに、耳を傾ける。
歌と一体になるような、そんな時間が嬉しい。


♪ 死ぬまで音楽と共に生きるために
     どうか私に力を
♪  (「AVE MARIA」)

ずっと、ず~っと、歌い続けてほしい。
ほんとうに、ほんとうに。


(Ayaka Hirahara「my Classics!」pavane 始め12曲収録)

(物語)
◆ 「逮捕状」「起訴」「潮騒」「証人」の四編からなる第二巻。
 昨日まで風を切って歩いていた、花形記者の弓成が逮捕される。
罪状は外務省事務官の三木昭子と「ひそかに情を通じ、これを利用して」
外交関係の秘密文書を、持ち出すようにそそのかした罪。

起訴され、法廷に立たされる二人。
失職して憔悴する三木。病身の三木の夫の怒り。
休職処分を受け、取材できない悔しさをかみしめる弓成。
弓成の妻・由里子の苦悩。
法廷での、国家機密と知る権利をめぐる攻防。
気鋭やベテランの弓成の弁護士たち。
検察や保身を図ろうとする、官僚などの証人たちの答弁…。
事件の今後の展開は…。

(感想)
◆ 弓成、三木の逮捕でドラマは大きなうねりを見せる。
国家機密を男女の恋愛にすりかえて、核心から目をそらせようとする政府。
「国家機密」の真の姿を追求しようとする弁護士たち。
これからの法廷での攻防が見ものだ。
場面展開が鮮やかで飽きさせない、映像が鮮やかに浮かんでくる。

この巻も、すごいぞっ! 

(山崎豊子著「運命の人(二)」文藝春秋2009.4)


◆ 「祭りのあと」という歌があった。
にぎやかな祭りの後の寂しさを歌っていた。
今年も行けなかったけど、気になる夏の祭り、岐阜県郡上市八幡町の「郡上踊り」の「踊り納め」の記事が今朝の新聞に載っていた。この踊りの季節が過ぎると
今年も夏が終わったんだなぁと思う。

◆ 今日読んだ「宵山万華鏡」は、祇園祭の宵山の賑わいを描き出している。
賑やかだから、哀しさが沁みることがある。

六つの物語「宵山姉妹」「宵山金魚」「宵山劇場」「宵山回廊」「宵山迷宮」「宵山万華鏡」
は、賑やかで明るい「祭り」の、妖しくて幻想的な一面。
そして、暗くて寂しい顔が同居していることも見せてくれる。

ある物語は、ばかばかしく無意味で、ただただ笑える。
ある物語は暗く哀しい。
そこには、賑やかな祭りと忘れられない哀しみが同居する日の出来事が描かれている。

◆ 15年前に、突然、失踪した娘を思う父親の姿や、賑やかな祭りの日、喧噪から離れた鞍馬で倒れて、逝ってしまった父のことを思い出す息子が描かれる。賑やかな祭りの季節が、哀しみの思い出の日だ。彼らには、毎日が宵山の日の繰り返し…。その「宵山回廊」は、前の二作と、表情がガラリと変わる。
前の二作は、高校以来の同級生が、偽の祇園祭をでっちあげて友達をかつぐという、とことんバカバカしい話だ。(「宵山金魚」「宵山劇場」)。
その後の作品だけに、その哀しみが際立つ。
最後の「宵山万華鏡」は、幻想的な祭りのイマジネーションが詰まっていた。

◆ 古都の夏を彩る祭り「宵山」の様々な表情。
「万華鏡」を覗くような、多彩な六つの物語。



(森見登美彦 著「宵山万華鏡」集英社 2009.7)



本命くじら

Author:本命くじら
 本が好きです。自然も好きです。
人間という生き物にキョウミシンシン!
本は快楽。本はエネルギー。…ってことで。
 よろしく!

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