2009 / 10
≪ 2009 / 09   - - - - 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31  2009 / 11 ≫

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


鎌田 實著「ちょい太で だいじょうぶ」(集英社文庫)は、
痩せることに必死で、痩せているほうが健康だと思い込んでいる人に、
ホントはちょい太っているくらいが、実は長寿で健康になんだと教えてくれる。
メタボリックシンドロームを、健康を脅かす生活習慣病としてどうつきあうかを書いている。
とっても、わかりやすい。
これは同時に、哲学の本でもあると思った。何度も読み返したくなる。

生活習慣を変えて、健康になることは、実は生き方を変えること。
「生き方を変える」などと言うと、とてつもないことをするみたいだけど、
実はちょっとした積み重ねなんだってことを「健康な生き方をつくる」
という視点から語ってくれる。

そこには、哲学がある。

画期的衝撃的な方法は、出てこない。
暮らしの中に、小さな何気ない習慣をつくること。
積み重ねる。日常生活と仲良くすること。

でも実は、それが大事だってことがわかってくる。

いいなぁと思ったのは、肩に「力コブ」を作らないで
「がんばらないけど、あきらめない」で、ゆったりした気分で
「行動変容」に招待してくれること。

静かなのに、こんこんと湧き出してくる泉みたいだ。

スポンサーサイト

◆ 沖縄返還に伴う、密約事件を扱った小説の最終巻。
「沖縄 チビチリガマ 鉄の暴風 OKINAWA 
土地闘争 少女事件 ヌチドゥ宝 米国立公文書館 大海原」 の9章からなる。

◆ 最高裁の上告棄却で有罪となった、元毎朝新聞政治部記者・弓成。
その後、父が一代で築いた青果会社を再建しようとするが廃業に追い込まれ、
ギャンブルにのめり込む。それを変えたいと、故郷・小倉を離れるが、孤独と絶望から、死に場所を探すような旅になる。
那覇行きの船の中、海に身を投げようとする彼を、読谷に住む渡久山朝友に止められ命を救われる。

彼との出会い。住み始める沖縄。
記者生命を断たれるきっかけになった事件の現場で暮らしながら、弓成は何を見聞きして生きるのか…。

◆ 絶望と孤独の時、人はどう生きるのか。とても考えさせられた。
内容・事情・レベルはさまざま。でも、誰もが直面する可能性のある運命のうねり。
心ならずも流されていく境遇。
いや、むしろ、いつも思った通りに歩める人生のほうが、稀なのかもしれない。
渡久山をはじめとして、弓成が出会う人たち。
その出会いが、新しい目を開かせてくれる。

◆ 最後の場面が特に好き。
漏洩事件の経緯以降、15年も音信を交わさなかった妻・由里子が、渡久山の手紙を読んで、沖縄の彼を訪ねてくる。そして、互いの思いを受け止めていく。
二人の夕餉の場面。彼が三線を引きながら沖縄民謡を歌う。
「わたしたちも曇ることのない光を持ちながら百歳の年まで光っていこうよ」
という趣旨の歌。
歌詞に込められた、弓成の決意と、妻への思いがとてもこもった場面だ。

◆ 一番思ったことは、彼が深く学んだであろう(と、本を読みながら思った)
「血を通わせて、もっと深く知って生きる」ってこと。弓成は、改めて沖縄戦の証言集や体験者の肉声を聞く。
そこで、流されてきた血や、引き裂かれた人生の哀しみに深く触れていく。
狂信のような戦争教育で洗脳された人間が、地上戦で竹やりで機関銃にむかう。
洞窟内で泣き叫ぶ子供たちと自決する人々。
そして、今の沖縄。
大学構内という民間地に、墜落したヘリコプターの現場検証も許さない米軍が存在する。

◆ 絶望の運命に翻弄されるだけの人生から、運命に立ち向かう人生に舵を切る。
容易じゃないけど、素敵だと思う。

締めくくりの弓成の思い。
「自らの意思で選んだ道程ではなかったが、そのように運命づけられているのなら、使命を果そう。書く時間はそれほど長く残っていないが、遅くはない。」。(265)

山崎さんいいなぁ!
封切られる映画「沈まぬ太陽」の原作も、超おススメ!

(山崎 豊子著「運命の人(四」)2009.6.30文藝春秋)


昨日と今日の早朝、暗い空をひたすら眺める。
流れる星を、観たいと思ったから。

静かな朝に、星を探す時間。
宇宙の片隅で、生きているんだなと思う。

夜空を見上げるとき、いつも思い出すのは、北村薫さんの小説「リセット」の冒頭。

「星です。わたしの最初の記憶は、流れる星なのです。」


昨日2つ。今朝3つ。
ス~ッと光の帯が天空を流れた。

以上間違いありません!(笑)


 とっても面白かった。
「談合」という建設業界の硬質なテーマを、正直で正義感あふれる平太という
若者を主人公に、仕事や恋の「理想と現実」が面白く、あたたかく描かれている。

多忙な平太が、母の病気に心を揺らし健康を願う痛切な思いに、親子の心の触れ合
いも描かれかれていて、豊かな奥行きのあるドラマになっている。

心ならずも「談合」にかかわることになる平太は、どんな気持ちで、どんな生き方をするんだろう。
工事の談合の結末は、どうなるんだろうと、飽きさせない物語展開で一気に読んだ。
推理的な手法も、うまく取り入れて最後まで面白く読ませる。
気分のいい、面白い結末だった。


(池井戸 潤著「鉄の骨」2009.10講談社)

四季桜一輪

◆ 囚われのクラリスを助けようとカリオストロの城に忍び込んだルパンが、
クラリスを励まそうと、手品の要領で、一輪の小さなバラを差し出す。
そして言う。
「今はこれが精一杯」。

宮崎アニメの「ルパン三世 カリオストロの城」の好きな場面だ。
一輪だけの小さなバラ。
でも、大輪のような、励ましの思いが詰まっている。

…てな 話に、無理やりこじつけつつ載せる、「四季桜」の写真。
「今はこれが精一杯」 (笑) の咲き始めの一輪。


◆ 昨日から金木犀の甘い香りが、歩く先々で漂ってくる。
あなたの街は どう?

アカデミズムの哲学者じゃなくて、子供たちを学習塾で教えながら、
ヘーゲルなどの翻訳や、エッセイを書いている長谷川 宏さんの本を読んでみた。

◆ 最初の章「生活と哲学とのあいだ」で、章の元になる講義の後の参加者とのやりとりで、
こんなことを言っている。
「現にあるこの世界に違和感を持つこと、あるいは、現にいま生きている自分たちの生き方に根本的な疑問を感じること、そこに哲学の出発点はある」(25)
な~るほど。
現実にドップリだったり、すり寄って生きているだけじゃ、哲学的思考は生まれないのだね。

続けてこんなふうに言う。

哲学に取りつかれるのは、日本では利口な生き方ではない。
「いまある世界や、いまある生きかたにうまく合わせて生きるのが賢い生き方であって、違和感や疑問にこだわるのは融通の利かない偏屈な生き方だとするのが、世間一般の常識ですから。」
哲学にかかわる自分自身を、うさんくさく思わないでもない。
などと言っている。
でも、そこに在野の哲学者・長谷川さんの、自負とユーモアを感じるのだ。

◆ この本には、子育てのことを書いた章もある。
その中で、松田道雄さんの「育児の百科」を紹介している。
こんな一節があった。
「いちばん大事なことは、赤ちゃんのきげんのいいときの顔をおぼえることである。」(48)
それができるのは世界中で母親だけだと。この言葉すごいなぁ。
子育てに不安をもつお母さんに、子育ての「本質」を、わかりやすい言葉で語りかけて、励ましがいっぱいだ。(父親への苦言や注文も別のページで紹介されていた。)

松田さんのこういう言葉が「哲学の言葉」なのかも。

(長谷川 宏著「哲学塾~生活を哲学する~」(双書「哲学塾」15冊の一冊)2008.9岩波書店)

本命くじら

Author:本命くじら
 本が好きです。自然も好きです。
人間という生き物にキョウミシンシン!
本は快楽。本はエネルギー。…ってことで。
 よろしく!

09 | 2009/10 | 11
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。