2012 / 04
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はるりんどう3

◆ここをアップできなかった、へろへろに疲れる期間も本は読んだ。
続けて読んだのは、大島真寿美さん。

「やがて目覚めない朝が来る」から「チョコリエッタ」「香港の甘い豆腐」「ピエタ」「青いリボン」
「虹色天気図」「ビターシュガー」「戦友の恋」。

疲れる毎日で、電車の中で寝ぼけて読んだので、はっきり内容を覚えてはいない。
でも、読み続けたのは「生きることはまんざらじゃないよ」と作品の中で励ましてくれたから。
生の裏側にある「死」が意識がされている作品も、読みごたえがある。

この「ふじこさん」も彼女の最近読んだ作品。
他に「夕暮れカメラ」デビュー作「春の手品師」の二編。

(お話)
◆ 大人になったリサが、小学生高学年のころ出会ったふじこさんのことを回想した物語。
両親の離婚話や、未来が見えない、夢や希望と無縁、疲労、毎日が辛く苦しく絶望して自殺願望だったリサ。
偶然、別居している父のマンションを訪れて、ふじこさんという父の彼女と出会う。

オープンでまっすぐなふじこさんに、惹かれ彼女と会うことが待ち遠しくなる。
全方位的に受け入れてくれる彼女と過ごした宝物のような時間の話。


(思った)
◆ ボクもリサとおんなじように、ふじこさんにとても惹かれた。
読んでいて心の風通しがよくて気分がよかった。

一番印象的だったのは、「自分の宝物」ってなんだという話。

ふじこさんが見つけた宝物。それはイタリアに住む職人がつくった椅子。
「デザインの奥深さに感動」して、今の仕事を辞めてイタリアにいって最高の仕事をしたくなったと
ある時リサに話す。そのキラキラとした美しいふじこさんの表情が、読んでいて浮かんでくる。
リサにはわからないけど、それが、ふじこさんの「自分の宝物」。

しずこさんが言うのに、宝物は人それぞれ違う。
この世にある「宝物」は、「宝箱」に入っていて、誰が見てもわかりやすい訳じゃない。
「自分の宝物」は「さりげなくそこらへんにひょいっとある」それを自分で探すことが大事。
リサもいつか、リサだけの宝物に会えると、ふじこさんは彼女に語りかける。

人との出会いの深さや歓び、生きがい。
そんな「自分の宝物」を見つけられる歩き方をしたい。

大島さんいい作品、サンキュ!


(「ふじこさん」大島真寿美 著 2012.2 講談社文庫)

◆ 写真は愛知県森林公園「はるりんどう」。

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(物語)
◆死にそうに多忙で通院しながら働く職場。信頼していた恋人の予期せぬ心変わり。
なんにもやる気がおきない「うつ」と診断される由人。

◆貧困な家庭に育ち愛のない結婚と出産をするが、子供と家庭を捨て家出する。
その後会社員として働いて、やっとつくった会社。
そこで猛烈に働いたが倒産し、自殺を図る由人の会社の女社長・野乃花。

その時TVニュースで流れていた、湾に迷い込んだクジラを見てから死ねばいいと
由人に自殺を止められる。

◆二人でクジラを見に行く途中、正子という高校生を車に乗せる。
彼女は、幼い姉が子供の時に亡くなったため、過剰に干渉する母親がいた。言いつけを守りながら息苦しい日々を過ごしていた。
やっとできたクラスメートの友人・海老君。
その姉・忍に自由な空気を感じ親友になるが、彼女は重い病気で亡くなる。
そして海老君の転居。
その喪失感と絶望感から家出して町を彷徨っていたとき、野乃花に声をかけられた。

三人で「迷いクジラ」を見に行く旅が始まる…。

(思った)
三人それぞれの日々を描いた三話と、訪れた町で出会った人たちとの出来事を描いた一話。全四話からなる。

中で正子のことを描いた三話目「ソーダアイスの夏休み」が好きだ。
正子の多感な時を両親が傷つける。
その両親も、傷を背負って生きている。正子に、海老君や忍が自由の空気をくれる。
なのに死という永遠の別れがあり、海老君も転居していく。
この哀しみや喪失感が読んでいて切ない。

クジラを見に行く旅の中で、訪れた町で語り合いながら、お互いの過去や抱えている哀しみ痛みを知っていく。
一人自分だけが、この世界で哀しみを背負っているんじゃないことを。
あり得るかもしれない別の生があると思ってみる。

◆生きることが大事だという込められた作者の思いはとても大切だと思う。
この物語の登場人物たちは、この後どうやって生きて行くんだろう?
読者の僕らは?

「死ぬもんか」の思いを胸に、命を自由に輝かせる明日を探して生きたいとおもった。


(「晴天の迷いクジラ」窪美澄著 2012.2新潮社)





五条②
「本屋大賞」になっても、ならなくても。昨年読んだピカイチ!

図書館で借りて二度読んだ。
自分で買って三度読んだ。読むたびに新鮮で読書の楽しさを感じた。

◆(お話)
手っ取り早く利益を生む週刊誌でも華やかなファッション誌の編集部でもない、「大渡海」(広辞苑クラスの辞書)をつくる辞書の編集部が舞台だ。
営業部にいた、変人で地味だった主人公・馬締(まじめ)が辞書編集部に配置換えされ、言葉への強いこだわりや愛着が、醸成され長い年月を経て辞書をつくる話。


◆(思った)
読むたびにいろんな発見があって、面白さが詰まっている。

ある時は、馬締(まじめ)の恋文に笑い、その純情におおっ!とおもったり。

ちゃら男キャラにみえる編集部の先輩・西岡の恋の話や辞書への彼らしい愛着の持ち方を読んで「こいつ!好きだなぁ~」とおもったり。

編集に関わる人たちが辞書を編纂する長い日々や粘り強さに≪不屈の精神≫を感じたり。

馬締(まじめ)の生き方を読みながら、僕らも人生っていうとらえ難い辞書を編んでいるのかも…と思ったり。

装丁もうまい!
辞書「大渡海」の装丁がこの小説の表紙でもある。表紙をしげしげと見たり。

表紙カバーの下の本表紙に、登場人物たちのイラストが描かれている。見ながら小説の場面を視覚的に楽しんでみたり。このイラストの作者が描くコミックが、ぜひ読んでみたいと思ったり…。

…楽しさてんこもり。


(「舟を編む」三浦しをん著 2011.9 光文社)

◆ 写真・2012年愛知県岩倉市五条川にて

本命くじら

Author:本命くじら
 本が好きです。自然も好きです。
人間という生き物にキョウミシンシン!
本は快楽。本はエネルギー。…ってことで。
 よろしく!

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