2012 / 05
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寡作だけど出ると、すぐ読みたくなる小説家。その加納さんの新作。
喜び勇んで、すぐに本屋に走る。
変った題名の作品だと思ったら、小説じゃなく闘病記だった。

◆2010.6月貧血がひどくて検査してもらった。
結果は「急性白血病」の診断だった…。

彼女が調べて、ここに書いているデータでは、発症率年間人口10万人に5.3人(1999年データ)5年生存率35%。
その少ない発症率の白血病の中でも、このタイプの遺伝子異常の発生率は患者全体の1%という珍しいもの。
治療しなければ、数週間から数ヶ月で死亡するというネット情報を加納さんは読む。

これは闘病記だけども、加納さんらしい筆致。ユーモアと温かさをたたえた血の通った文章だ。
大変な病気なのに、好きなコミックやサッカー観戦をしながら病院生活を送る。
家族や院内で接する人たちとの関わり方や心の動き、病院食や読んだ小説やコミックの感想も面白い。
とてもプライベートな、加納さんの人柄や日々が綴られている。
家族・友人の強い応援や、ネットや書籍を読みこなして、医師に質問しながら病気に向き合う。
時には「『あれ、ひょっとしてもうダメ?』的なことを考えてしまった。」(P184)
という緊迫した記述もでてくる。

◆ 本書は、加納さんが命と向き合いながら紡いだ「生きるんだ」という濃密な意志を伝えてくれる
意欲と知恵の宝物のような記録だ。

興味のある人は、著者がぜひ読んで欲しいという「あとがき」から読むといいよ。

ますます、加納さんが好きになった。


(加納朋子著「無菌病棟より愛をこめて」 2012.3 文藝春秋)



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冒頭、出張先でのスペインの牛追い祭りのスリリングな場面が出てくる。
うまい導入だったなぁと読み終えて、思う。
祭の面白い要素として作中にでてくる話に、うんうんと共感した。
スリルにドキドキ!
対抗戦にワクワク!
火の熱さにジンジン!
とにかく祭は熱くなきゃ~、なんだね!

(話はというと…)

家族の顔を見る時間もなかった猛烈な会社人間・咲元は、会社の派閥抗争に巻き込まれて閑職に追いやられ、退職を迫られる事態になる。
時間ができて、出席した町内の役員会の席上
「いまの予算で、いまの十倍は盛り上がる」祭をつくると発言し、勢いで新しい祭の実現を請け負ってしまう。
元校長で町内会を牛耳ってきた役員たちとの対決や、
大口をたたいたもののノウハウのないお祭り作りに、苦心惨憺のシクハック…。
果たしてどんな顛末に…。


(思った)

とにかく笑えて、元気が出る。
まさに心に「楽しい火の玉」を撃ち込まれたみたいに、アチチな楽しいショウセツ。
人生・いろんなとこで、熱くなるすべはあるさと思ったりした。
次々繰り出される主人公への難題・苦行の波、なみ、ナミ。
笑いつつ、ハラハラしつつ応援してしまった。
祭りづくりの過程で、それまで見えてなかった家族や、暮らしや人のことが見えてきたりもする。

うまいっ!


(原宏一著「ファイヤーボール」2012.2 PHP)

(話はというと…)

調理車に改造した軽のワンボックスカーで「佳代のキッチン」の屋号を掲げて「いかようにも調理します」と木札をかけて食材を持参する客の依頼に合わせて一品500円で調理する佳代。
旅先の清水を使っての料理にこだわって調理しながら全国を回る。
それは、佳代が中学三年生の時に弟と自分を置き去りにして家を出た、両親をさがしてその足跡を追うため。
今は新聞記者になった弟と連絡を取りながら、東京から北海道まで調理をしながら全国をまわる。
旅先で様々な人と出会い食を介して触れあいながら両親を探す。旅の中で徐々に浮かんでくる両親の実像とは。その結末は…。

「キャベツの子」「ベア五郎」「板前カレー」「コシナガ」「井戸の湯」「四大麺」「紫の花」の7話からなる。


(思った)

佳代がつくる料理が美味そうで、食べたいなぁと思いつつ読んだ。
旅と共に見えてくる両親の実像。そこには「理想」とは何かというテーマもも見えてくる。
でも、料理と旅とそこで触れあう人たちとの物語が楽しかった。
全7話のうち、独立したばかりで経営が苦しい「板前割烹 宇佐美」の勝彦さんが、悩みながら板前のプライドに目覚める、京都が舞台の第三話「板前カレー」が好きだ。

(「佳代のキッチン」原宏一著 2011.12 祥伝社)

本命くじら

Author:本命くじら
 本が好きです。自然も好きです。
人間という生き物にキョウミシンシン!
本は快楽。本はエネルギー。…ってことで。
 よろしく!

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