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◆東京近郊で生まれ育った篤志が、父の郷里である高知大学に入学。
祖父母の家に同居しながら学生生活をおくる。
四年前の夏、中学生だった彼は従兄弟の多郎に誘われて、よさこい踊りに参加した。
大学生となり高知に来た篤志に、多郎は再び祭りに誘う。
今度は、とぎれていた町内会チームを復活させるスタッフとして「よさこい祭り」に参加しないかと
。四年前の祭りのとき篤志には、ある女性との忘れられない一つの出来事があった。
さて、今年の夏、篤志は…。

◆「祭り・夏・青春・高知とくじらと物語」のキーワードを紡ぐと、真夏の熱い青春ストーリーが連想される。それも間違っていない。

もう一つのキーワードは、「人はなんで踊るんだろっ?」ってこと。
町内会チームに踊りのインストラクターとして参加する大物・カジの生い立ち。
 四年前中学生だった話し相手のいなかった篤志が、哀しげな影を見、断片的な会話をかわすようになった名も知らない女性。その時、祭りの二日目に欠席して以来会えない女性の姿が後半見えてくる。その女性は、井出亜澄。
カジにも亜澄にも、身近な人たちとの死別があった。

 役者を目指して、高知を離れるという多郎との別れを嘆く篤志に。カジが言う。
「現実なんて思い通りに行かんことばっかりや。自分じゃどうしようもないことだらけ。(中略)ええこと教えちゃろう。踊ったらいろんな縛りから開放される。無になれる。」(217)。
哀しみに押し切られないで生きるために、踊ったり歌ったり本を読んでみたり、映画を観たりして、ボクらは、心の栄養補給をするんだろうか。

陰影豊かに展開する物語に
祭りの歓声や肉声が、聞こえてくる。

(大崎 梢著「夏のくじら」 2008.8 文藝春秋)


【No title】
こんばんは。
よさこい祭りの歓声や肉声が聞こえてくるような
作品でしたね。
祭りに参加する人たちの熱意も伝わってきて、
実際に見たらきっと感動するでしょうね。

天童さんの「悼む人」、読んだんですね。
重い話だときいているんですが、読んでみようかと
思っているところです。

【No title】
mintさん こんばんは。

ボクの住んでいる愛知では、この物語に出てくる祭りに近い「ど真ん中祭り」って、いったかな。…が、あります。名古屋の広い通りを、息を合わせて踊る姿は迫力がありますよ。

天童さんの「悼む人」。強い印象が残りました。
仕事でヘロヘロだったのに、この本は、毎日読みすすみたくなる面白さでした。
【No title】
こんばんは。
トラックバックさせていただきました。

この本、踊りへの情熱がまぶしかったです。
記事の、心の栄養補給に、あぁそうかもって実感しちゃいました。

トラックバック、お待ちしています。
【No title】
藍色さん こんにちは。

真夏の高知で、踊りで心通わせる人たちの熱気が伝わってくる物語でした。
それにかかわる人たちの、心の陰影も印象的でした。
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イラストはタムラフキコ。装丁は関口聖司。初出は別冊文藝春秋。ネタバレありです。 高知大学に入学した守山篤史は、従兄弟の多郎から、強く... ...

本命くじら

Author:本命くじら
 本が好きです。自然も好きです。
人間という生き物にキョウミシンシン!
本は快楽。本はエネルギー。…ってことで。
 よろしく!

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