2017 / 05
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強烈な一冊だ。
◆ 坂築静人は死因に関わりなく、等しく死者の現場を訪ね歩き悼む旅を続ける。
彼は死んだ人のことを問う。
「この人は誰に愛されていたでしょう。誰を愛していたでしょう。どんなことをして、人に感謝されたことがあったでしょう」と。
 周囲は、静人のことを、変人扱いしたり、不審者として保護したり、宗教がらみの行動と見たり、露骨に避けられたりもする。
幼いころのヒヨドリの死、亡くなろうとする祖母が残した「覚えていて」という言葉。
死んだ親友の命日を、多忙さ故に一瞬忘れたことを許せない自分。
そんな出来事を経て、仕事をやめ家を出て野宿しながら、全国を旅する静人。
プロローグで、彼に出会った女性が言う「<悼む人>は誰ですか。」

 マスコミを渡り歩き、残忍な殺人や男女の愛憎がらみの事件の記事を得意とする契約記者「エログロ」の蒔野抗太郎。「エグノ」と呼ぶ者もいる。
 静人の帰りを待つ家族、そして特に、母・坂築巡子が末期癌の終末を在宅で迎えようとする姿は鮮烈だ。支える夫や娘もすごい。
  そして、やっとめぐり合えたと思っていた愛していた夫を殺して、出所した奈義倖世
彼女は、静人の「悼み」の姿と理由が気になって、彼の旅について歩く。

この三人と静人。その過去と現在が描かれていく。
「悼む人」とは、誰なのか?

◆(感想のような…) 死者を悼むという話なのに、読後には、ほんのりとした優しい思いが残る。
でも、決してホンワカとした物語ではない。むしろ心の中が掻き回されるようだ。
小説の中の登場人物たちの生き方が、こちらをぐいぐい引き付ける。
彼らの言葉が、胸に食い込んでくる。
次々と心に湧いてくる問いや心の会話…。何て本だと思う!

誰しも、別れていく運命にある、人の生は哀しい。
でも、それは「かけがえのない」生の時間。そんな作者の思いを感じる。
誰かを愛すること、誰かに愛されること、誰かに感謝される瞬間がもてること。
それは、当たり前じゃない命の時。

 自分自身の生を、あらためて問い返させ、心に食い込んでくる物語…。
読み終えて、大きく息をつかせる強烈な一冊。

(天童 荒太著 「悼む人」 2008.11 文藝春秋)

【No title】
こんにちは。
私も読みました。
重いと聞いていたんですが、読んでみるとちょっとイメージが違ってました。
確かにテーマは重いんですが、優しさが感じられる話といえばいいのかな。
どう生きていくか、改めて考えさせられる話でした。

今年も今日で終わり。
一年間お世話になりました。
来年もよろしくお願いしますね。
よいお年をお迎えください。

【No title】
mintさん こんばんは。

重い話に、読み進むのをとめてしまいたくなるような作品でした。
でも、心の中に深く食い込んでくるような緊張感も感じました。
生きるということに、刺激をくれる一冊でした。


こちらこそ、一年ありがとう。
来年もよろしくお願いします。

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今日読んだ本は、天童荒太さんの『悼む人』(2008/11)です。 ...

本命くじら

Author:本命くじら
 本が好きです。自然も好きです。
人間という生き物にキョウミシンシン!
本は快楽。本はエネルギー。…ってことで。
 よろしく!

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