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四篇からなる。これは凶悪な事件は起こらない推理ドラマなのだ。
一癖あって強そう。でも、不安と哀しみを抱いている。
それでも現実と向き合って生きようぜ というガールたちの物語。
彼女たちの不思議な行動の謎が、物語の進行とともに見えてくる。

◆父の再婚によって、高校生の哲夫に妹が出来る。初めて顔を合わせた涼子は「がんぐろ」で登場して驚かすが、素顔の彼女は、美少女で学校でも話題の女の子だった。ある夜涼子は、雷が怖いと、哲夫を頼って彼の部屋に、逃げ込んでくる…。 (「竜巻ガール」)

◆妻に逃げられた詐欺師まがいの父と二人暮らしの広幸の家に、絵美という美人が突然訪ねてきて、やがて父と再婚する事になる。しかも、何故か絵美は家を出た母・静江と知り合いだという…。
 (「旋風マザー」)

◆三十代半ばの独身女性・由布子は、不倫相手・菅原部長とお忍び旅行に行くが、旅先の川で泳ごうとして菅原は溺死する。彼女は本妻や会社に事実を知られまいと、遭難の事実だけを宿に告げ、隠れるように帰宅する。
その後、最初の付き合いから不倫をしていると信じていたが、菅原が若く美しい今の妻と結婚したのは最近のことで、由布子とつきあい始めた二年前は、独身だったことがわかる。…。
 (「渦潮ウーマン」)

◆40歳前の今日子は、25歳の外国人・黄河と結婚した。
彼の入院の際に、彼女の目を避けるように、彼に宛てて、自宅でなく会社に、中国から大量の手紙が届いて会社のロッカーに保管されていたことを知る。
黄河にとって、自分はただの便利な女で、二人は愛情で結ばれたのではなかったのか。本国には妻子がいることを夫は、自分に隠しているのではないか と、懐疑と破壊的な気持ちを抱く。そんな時、今日子は妊娠したことを知る。はたして二人はどうなる…。
 (「霧中ワイフ」)

四篇とも面白い。
特に好きなのは最後の作品「霧中ワイフ」。
やるせなく心細い思いを抱いて孤独に沈みながら、彼女の心に流れているキーワードは
「(現実の怖さから)逃げてはいけない」ってこと。
他の作品に出てくる女性たちも、みんなタフな精神を持っているのだ。

読後感がいいのは、彼女たちがしんどい状況の中でも、前を向いて歩こうと意欲して、胸をはっている から。
つらくてやるせない時こそ、胸を張って歩く。
それが元気を連れてくると信じる。 大事だなぁ。


垣谷美雨著「竜巻ガール」(双葉社・2006発行)

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本命くじら

Author:本命くじら
 本が好きです。自然も好きです。
人間という生き物にキョウミシンシン!
本は快楽。本はエネルギー。…ってことで。
 よろしく!

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