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「大きな熊がくる前に、おやすみ。」(島本理生著・新潮社・2007,3)

ボクの中の島本さんは、物語の強い印象より、端正で美しい描写を楽しむ作家だ。別れの悲しみを描いている作品でも、甘みのある湧き水を、手にうけて飲んだような清々しさが残る。心の動きと「生」の今を丁寧に描く作家。自然の豊かな情景描写と人が抱える思い、迷いや矛盾を見つめるまなざしが感じられて、好感が持てる。
三色の恋のはなしを収録。「大きな熊がくる前に、おやすみ。」「クロコダイルの午睡」「猫と君のとなり」。

「生きてるだけで、愛。」 (本谷有希子・新潮社・2006,7)
 以前なら、途中で放り出していたかもしれない。
好みじゃないのに、気になる小説。
見逃せない大事なことが描かれているから。

鬱で「過眠」の寧子(やすこ)の生きづらさが痛い。同居している男性・津奈木景(つなきけい)とは、まったく性格がちがう。精神的な凹凸の激しい寧子に対して、淡々と生きる彼。もともと不一致な人の性格。それでも、心をかさねようと、術を探す。
 見てしまった、相手に惚れる「一瞬のきらめき」が、それまで未知だった二人を見つめあわせる。
「生きているだけで、愛。」は、生きていることが当たり前ではない、生きづらさをかかえる寧子(やすこ)と、一緒に暮らす津奈木の事を描いている。

 本物の愛は、生きる力を刺激する。自分しか知らない、誰かの、一瞬の表情。それを知る。その意味を思う。それが、生きづらい時に灯りをともし、歩き続けようとする何かになる。
…生きづらい時ほど、深く強く、本物の思いに、心のピントを合わせる為の、あれこれをしよう。

そんなことを思った。

他に「あの明け方の」を収録。


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本命くじら

Author:本命くじら
 本が好きです。自然も好きです。
人間という生き物にキョウミシンシン!
本は快楽。本はエネルギー。…ってことで。
 よろしく!

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