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◆ 高校一年生の6月。同学年の生徒が三人一組になって、町に出かけて、住民から聞き取り調査をする「不思議な授業」があって知り合った三人。
柳の木の並ぶ水路の脇を歩いていたとき「空から蛇がふってくる」体験をする。
蛇は、絡まりあうように数匹で水の中を泳いでいたが、やがてバラバラになって、違うところを目指して泳いでいく。
この三人。楡崎綾音・戸崎衛・箱崎一は、やがて同じ大学に進む。
親元を離れて暮らす三人は、大学生活の最初の頃、時々あっていたが、やがて自分の道を歩き出していく…。三人の歩みを描いた三部構成。
 
●一部 「あいつと私」
楡崎綾音が、大学時代ほとんど書かなかったにもかかわらず、実は自分は。「小説家になりたいと思っていることを自覚した」大学生活のこと。

●二部 「青い花」
戸崎衛のサークル・ジャズ研でベース奏者に熱中する日々。
高校時代。三人で蛇を見た後「三叉路」に立った。衛は「未来は予測不能で不定形。それが続いて未来になる」と三叉路が未来を暗示していると思った。

●三部 「陽のあたる場所」
大学でシネマ研究会に在籍した箱崎一。鑑賞班に所属し、一作も監督作品がなかった彼。
普通に就職をして、サークル員たちは監督になるとは思わなかったが、大手証券、金融機関 勤めのを経て、映画監督になった。
彼はなぜ映画監督になったのか。彼の求める風景とは?

◆ 大学の時代、懐かしいなぁという思いにさせてくれる場面もある。
でも、この作品は「時と人」「出会いと別れと人」のことを描いている。
高校の授業で、ある時期に出会い、大学での出来事や新たな出会いを経て、自分の道を歩きだす。
綾音は小説家へ。戸崎衛はジャズに熱中して次の未来を探す。
箱崎一は、会社を辞めて映画監督となる。
独立しているけど、三部は繋がっている。

読みながら、思ったこと。
人は、ある時期、出会って時の流れの中で別れる。でも、それは、ただの別れじゃない。
物理的には離れていても、ある時期一緒に過ごしたことが、心の大事な風景になっていることに年数を経てから、後で思い出したり、次への準備だったりする。それは一律じゃないけれど…。

 箱崎が、インタビュアーに次回作を聞かれて「繋がっているけど繋がっていない人たちの話」とこたえる。映画とは何か?と聞かれて「私たちは、別れるために出会ったのね」と、好きな映画「陽のあたる場所」の台詞を言う。

人間って、いろんな面をもっていて
おもしろい。

(恩田 陸著「ブラザー・サン シスター・ムーン」2009.1河出書房新社)




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本命くじら

Author:本命くじら
 本が好きです。自然も好きです。
人間という生き物にキョウミシンシン!
本は快楽。本はエネルギー。…ってことで。
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