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◆ 角田さんのエッセイは、サクサクと読める。爽快な気分になる。
例えば、モロッコの砂漠の一泊ツアーで寝たときのこと。
「毛布というより、星空をかぶって寝ている気分
「明かりのまったくない砂漠で、月は月らしからぬ輝きかたで夜空を這っているのだった
(「UFOと火星」)読んでいると情景が浮かんでくる。

今はいない、おばあさんの味を再現したくて、梅干を漬ける話には、味の向こうにおばあさんの姿が見える。

◆ ボクシング観戦(特に「はじめて」の勝敗を感じやすい四回戦ボクサーたち)で、「強くなる」ってどんなことか、その思いを書いている。小説を書くことは「心底負けたと思い知る」ことから始まると実感を述べている。成功したい願いと、うまくいかない現実との落差に落ち込んで何かが始まるということだろう。ボクシングでも、生きることでも。
「強いということはものすごくしずかなことなのだ」という言葉も出てくる。
この「しずか」という表現が面白い。

◆ ニヤニヤしながら読んだ二部。
液だれしない「醤油さし」を探し、佳境にはいっている映画が上映されいる会場でメール受信をする人が気にかかり、道端で物売りから声をかけられてとまどい、今まで訪問した国の数を質問されてあたふたとし、「ゼロ、ひとつ、たくさん」しか数をあらわす言葉がない民族に思いをはせる。下品、下劣、メチャクチャな映画が好きなことに、改めて自分を発見し、家の中の最適な読書の場は「風呂」だという彼女の指摘に共感し、本を読むことの楽しみは「創ることの自由さ」にフンフンと、鼻息荒くウナズイタ。
 
本の題名は、最後に収められたエッセイと同じ。
肩書きや名誉を誇示したりしないで「花が美しさを誇示せずそこにただ在る
そんな生きかたをしている、ある人との出会いの話。そんな大人のステキさ。

飲み屋で親しいともだちと話すような、オモシロマジなエッセイ集。

(角田光代著 「何も持たず存在するということ」 幻戯書房2008.6)

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本命くじら

Author:本命くじら
 本が好きです。自然も好きです。
人間という生き物にキョウミシンシン!
本は快楽。本はエネルギー。…ってことで。
 よろしく!

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