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さくらんぼ3

「おともだちパンチ」を御存知であろうか。と書いていたのは、森見登美彦
だった。
我が家の小さな庭にある、さくらんぼの樹に朝から群がる、ひよどり君たちには
おともだちパンチの、やさしさがない!
さくらんぼを一粒、口に含んで、電線の上から、こちらの部屋を見下ろし、
ニッ!っと、あざ笑うかのようだ。そして、見る見るさくらんぼは、無くなっていく。
ひよどりくんたちを、好ましく思えない苦い思い出がある…。

あれは、今から数年前。最初にさくらんぼが実った年。
朝から、ボクは機嫌がよかった。
真っ赤に色づく実を前に
「仕事から帰ったら食べごろだぁ。」
と出かけた。

悪意を感じた。
あの日、ボクは腹がへっていた。モーレツにだ!
夕ご飯の前に、朝、色づいていたさくらんぼを収穫して、つまもうと思った。
はじめて、実ったさくらんぼは、どんな味だろう、
初体験は、いつも、甘酸っぱい歓びと、ときめきを感じさせる、が…見上げた樹には、空しく葉っぱだけが風に揺れていた。

何度も思うが、悪意すら感じた。
最初は「一粒だけ」と、遠慮がちに食べたのだろう、か。
意外といける「もう一粒いただこう」なんぞと言い交わしたのだろう、か。
「う~ん。後をひく味だ。あと一粒だけ」
ムシャ…「これで最後」。
気がつくと、さくらんぼの樹は…
葉っぱだけ、だったのだろう、か。

「ここに住む、くじらくんの為に、ちょっとだけ残そう」と
仲間内で、思わなかったのだろうか?過ぎた時間は帰らない。
葉っぱだけの、樹を見上げて絶句した。

…うぅう…笑って許せないと…思った…

今も思い出す。
仕事から帰って、呆然と樹を見あげた
あの日、あの時、あの夕べ。

あれ以来。恐るべき、ひよどりくんの、食欲。思い知った。
血みどろの戦いの幕は、ついに切って落とされた。
しかし哀しいかな、多勢に無勢。
♪きょう~も 涙の 陽がおちる♪

今年もさくらんぼが、食べごろだ。
ニギヤカダ…。
ハヤスギル…。アサノ、カレラ。


(先日の前編とセットで完結。)

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本命くじら

Author:本命くじら
 本が好きです。自然も好きです。
人間という生き物にキョウミシンシン!
本は快楽。本はエネルギー。…ってことで。
 よろしく!

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