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紫陽花と菖蒲3


◆ 物語は、f郷に転居し、f植物園を職場とする佐田豊彦が、「うろ」(くじら注・空・虚・洞などと書く=うつろな所。ほらあな。出典・広辞苑)に落ちて、気を失って過ごした、夢ともうつつともいえない二日間の、不思議な出来事を描いた物語。

独特の古い言葉の言い回しが難解で、理解できない箇所もあった。
例えば、彼の仕事は「園丁」という。
これは園内の手入れをする職業だそうだ。初めて聞いた。
このような言葉が他にも出てきた。
前世が犬だった歯科医の家内。ナマズの神主。烏帽子をかぶった鯉。
など、不思議なキャストたちが出てくる。

「うろという巣穴」の世界に居るとき、彼は、妻が四ヶ月で流産して、出会うことのなかった子供「道彦」と会う。
会話を交わして、別れ難い思いを抱いたりする。そして別れ…。
そして、この世界に還ってくる。

◆読んで感じたこと。あらためて、命のはかなさのことを思った。
だからこそ、大事な一回性、替えがたい一人 だということも。
よく語り遊んだ友人を思い出した。
幼馴染で、進路を話しながら一緒に通学した同級生の従兄弟も。
突然、逝ってしまった。
そして、今の親しい人たちのことも思った。

◆ 人は生きている間、同じ外見に見えても、内面は、新しく生まれかわるのだと思う。
命のいとしさ、哀切な感情を深く感じる体験が、人を見えない「巣穴」に導くのかもしれない。
目には見えない。…でも、生まれたばかりの雛のような、初々しい心に生まれ変わって、
日常の中を、巣穴から飛び立っていくのかも…。


(梨木 香歩著「f植物園の巣穴」2009.5朝日新聞出版)



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本命くじら

Author:本命くじら
 本が好きです。自然も好きです。
人間という生き物にキョウミシンシン!
本は快楽。本はエネルギー。…ってことで。
 よろしく!

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