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オモシロ哀しい文体を久しぶりに読んだ。
懐かしくて、魅力的だ。
とにかく心地いい、椎名ワールド。

(物語)
◆ 「こんちくしょうめ」「風に揺れる木」「用意は?できてます!」「ふたつの島で」「花のまつり」「回流していく時間」「ブチクンへの旅」「山の上の家」「熱風の下」「きのこ街道」「冬の風」の11編を収録。
椎名さんの周辺の出来事を綴った、気分のいいエッセイ風私小説。

作家・椎名さんの日常は忙しげだ。
小説の連載を始め、企画連載の「各地の祭り」「麺」「釣り」の記事のために全国を巡る取材。
沖縄での毎週のラジオ収録。
講演。応募ルポなどの選考。
そんな事をしつつ、日々飲み食いをし、友人とあれこれ遊び、交歓する。
冒険好きで帰国する妻を空港に迎えに行って、ガードマンにロビーでホームレスと思われた話。
旅先で食べた、麺の辛さのランクが「絶叫」「地獄」「即死」となっていて、注文の品を運んできたウェイトレスの「即死の方はどちらですか?」に注文者が「ぼくが即死です」と、まじめなやりとりをしていた話には、大笑いだった。

(感想)
◆ 何気ない話を書きながら、人生のこと。親子や家族のこと。友人のこと。
偉そうな権威や、嘘っぽいものを嫌う独特の視点がスカッと小気味いい。

日々が何気なく語られながら、印象に残ったのは二つの「約束」。
一つは、サンフランシスコで暮らす孫の「風太くん」との約束。
電話の、脈絡のない会話が楽しい。
ある日の会話の中で、風太くんが家族とレストランにいた時にみた、チンピラ同士の撃ち合いで15歳の少年が死んだ出来事の後に、かかってきた電話。
「じぃじぃ」の椎名さんと風太くんとのやりとり。
「じぃじぃも死ぬの?」… 
「じぃじぃは死なないよ」「死なない?」
「うんやくそくするよ」「やくそく?」


もう一つ。
癌の末期の友人の写真家・高橋の見舞い。
以前、彼と一緒に行ったモンゴルのトーラ川のキャンプを思い出しながら、
元気になったらトーラ川に絶対行こうぜ。「約束だぞ」と病室で交わす会話。

心の通い合う「約束」って、こんなに深くていいもんなんだなぁ~と思った。

「いいかげんな青い空」という題名だった連載を「大きな約束」に改題した素敵さを感じた。
つくづくと、いい読み物を読んだ歓びでいっぱいになった一冊。

(椎名誠 著「大きな約束」2009.2集英社)


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本命くじら

Author:本命くじら
 本が好きです。自然も好きです。
人間という生き物にキョウミシンシン!
本は快楽。本はエネルギー。…ってことで。
 よろしく!

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