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これは大河小説ならぬ「小川いっぱい小説」なのだと彼は言う。
すごい歴史を左右する壮大な出来事があるわけじゃない。
彼を取り巻く友人との、もっぱら遊び的な出来事が書かれていて
とまらない面白さがある。彼を取り巻く仲間の日々という小川が、壮大な遊びの流れに合流する。
だから、これは「大河オモシロ人生小説」なのだと思った!

◆ 本好きが高じて、友人と「本の雑誌」をつくってしまう。仲間内のミニコミ誌が、全国的な月刊誌になる。
三角ベースボールで、仲間と本気であそんでいたら、全国的大会が行われ、外国まで試合遠征する。
ポケットマネーで好きな映画を撮ろうとしたら、映画会社ができ、本格的な映画製作になって、全国上映する。
その流れで、モンゴルに撮影に行く。遊牧民の住まいの「ゲル」が気にいって、新宿の友人のビルの屋上に、仲間とわいわいと設営してしまう…。

◆ 面白そうなこと、好きなことをみつける達人だ。そして常に、異色の仲間たちがいる。
飲みつつ遊びつつ、アナログまるだしのつきあいが、遊び的パワーを増幅させまくる。

ほどよい「いいかげん」な日々が、キラキラしている。
初期の椎名さんの作品で、重要なインパクトを残した仲間たちが亡くなったことが作品でわかって、
しんみりする。

それでも、読み継いできた椎名ワールドは、時を重ねて、哀愁とオモシロさを増している。

でも、実はこんな面もあると仲間の一人・斎藤海人が、あとがきで彼のことを書いている。
「…人の心を軽んじる現代社会の管理体制とか、文明に浸りきった人間の心に潜む形のない不安とか、慣れすぎてもうその腐臭にすら気づかなくなった日々の退屈とか、そういうものとペンの力で戦っている…」

ほんとに管理にそぐわないヒトたちの小川が大河になってオモシロパワーをくれる。
荒削りながら、自由で気分のいい風が、作品から吹いてくる。
サンキュな、読みごこちだった!気分は草原を駆ける遊牧民っ!

(椎名誠著 「新宿遊牧民」2009.10講談社)



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本命くじら

Author:本命くじら
 本が好きです。自然も好きです。
人間という生き物にキョウミシンシン!
本は快楽。本はエネルギー。…ってことで。
 よろしく!

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