2017 / 05
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◆(おはなし)
再婚して生まれた由紀也が、一歳になったばかりの時、突然なくなる。
その死に折り合いをつけようとする私と妻・洋子。
私は旅に、季節ごとに出かけながら、由紀也との折り合いの付け方をさがす。
十年ぶりに連絡がきて会った先妻・美恵子との子供・明日香は15歳になっていた。
高校生だが不登校の彼女と、私は旅をする。旅先での様々な人との出会い。
美恵子は、癌で告知を受け、最後はホスピスでの日々を選ぶ…。

大切な人との別れは哀しい。突然で、理不尽にも思えるような別れ。その痛みと哀しみ。
一歳で亡くなる由紀也。癌で宣告を受ける美恵子。二章の奥尻島の旅には地震と津波で亡くなった人たちのこと。三章では、私が旅先であった老夫婦から聞く息子のこと。やりたかった演劇の、初演出を手掛ける準備中に、肺炎をこじらせて23歳で亡くなったという。「自分をひっくり返してくれるような風景にであった」と言っていた旅帰りの息子の言葉。その足跡をたどって、流氷を見に来た老夫婦…。

全9章からなる連作。
雑誌発表の初出時には「きみ去りしのち」「嫌いだった青空に」「冬の歌曲」「虹の向こう岸」「風の中の火のように」「まほろば」「砂の暦」「瑠璃色のハイドゥナン」「風のはじまるところ」の題名がある。

◆(思ったこと)
とんがって生きているように見える、15歳の明日香のユーモアや感受性に、瑞々しさを感じた。

死を書きながら、幸福のこと。思い出のこと。生きる意味のこと。
旅と人生のことなどを、描いている。
いろいろなことを、考えさせてくれる。

二度読んだ。
最初は、暗くて、ねちねち・くよくよの、私と洋子夫婦の暗さが、痛くて、はなについて読んでいて疲れた。
二度目は、人が亡くなって別れる哀しみは、ねちねち・くよくよの、心情になって当然だよなぁと思った。
それを、体験することを、人は避けられない。
この暗さ、痛み、哀しみと向き合う逡巡の日々を経て、本当の明るさを育てられたらいいなぁ。

六章に「優しさは」悲しさや寂しさが、じょうずに育ったものかもしれないという会話がある。
とても、印象に残った。


(重松清著「きみ去りしのち」2010.2文藝春秋)


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本命くじら

Author:本命くじら
 本が好きです。自然も好きです。
人間という生き物にキョウミシンシン!
本は快楽。本はエネルギー。…ってことで。
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