2017 / 08
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◆(おはなし)
戦後間もない頃の、東北の高校生たちの物語。
稔、ジャナリ、デコ、ユッヘと、転校生・渡部俊介が巻き起こす、恋と妄想と珍事件。
つまりは「十代のあやまち」。
そして、忘れがたい大人たち…。

◆(思ったこと)
井上さんが通っていたころの、東北の男子高校がモデルのようだ。
主人公・稔が、とってもおバカだ。すれ違う女生徒に抱くたくましい妄想と精力過多。
つまりはスケベ。
彼だけじゃなく、友人たちのジャナリ、デコ、渡部俊介、ユッヘも
おバカパワー全開で巻き起こす、珍騒動の数々…。
ギャグのシャワーが、あめあられと降り注いで笑いっぱなしの一冊。

それから、そこに登場する大人たちが、子供の成長を応援する真情にあふれていてかっこいい。
例えば、女性を押し倒す妄想ばかりする彼らに、命がけの恋のことやそれができる時代を大事にいきる覚悟を
まっすぐに説く教師・軽石。
生徒を守るために、校長の肩書き投げだす校長・チョロ松こと、松田校長。
実に印象的な、かれらを見守る大人たちの態度。

あとがきで、井上さんは、敗戦後の数年間、軍国主義の時代を反省して
「子供たちをあくまで信頼しようというやり方」で
「大人たちが子供たちの意志を懸命に後押ししていた時代があった」ことを書きたかったといっている。
そんな心情も、感じられる。

「青葉繁れる」このなんとも気持ちのいい本の題名。
彼らの青春時代と戦後という時代の青春がオーバーラップする、のびのびとした空気が流れている。
この伸びやかな空気がいい。この伸びやかさは過去だけでなく、今と未来にも流れていてほしい。
きらきらと輝いていたい、ぼくらの心の中のささやかな青葉。
それが、風に揺れながら、もっときらめいて繁っていくイメージを、ぜひ持っていたいと思う。


笑えて、きりっとした場面が嬉しい。
気分最高の一冊。

(井上ひさし 著 「青葉繁れる」 2008.1 新装版・文春文庫)

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本命くじら

Author:本命くじら
 本が好きです。自然も好きです。
人間という生き物にキョウミシンシン!
本は快楽。本はエネルギー。…ってことで。
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