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◆(おはなし) 
沖縄県与那喜島に住む、主人公・友寄明青(ともよせあきお)を取り巻く環境は過酷だ。
生まれた時から、親指以外の4本の指がくっついている右手。
父が小学生の時、海難事故で死ぬ。
小学5年生の時、母が家を出て以来帰らない
その後、彼の世話をしてくれた祖母も亡くなる。
誰かが、家で待っていてくれる生活とは無縁の暮らしの中に
カフーと名付けたラブラドール犬がやってきた。それはありがたい存在。
今は、友寄商店という「よろずや」をやっていて、地域の交流の場になっている。
子供の頃からの顔なじみの、近所のおばあに、夕餉をつくってもらっている。

86歳になるおばあも、独り暮らし。
巫女(ゆた)であるおばあが、犬のカフーが生まれたときいい知らせがやってくると予告する。
カフーは「果報」と書いて「いい知らせ」「幸せ」の意味がある。
そんな犬は存在感がある。

そしてその夜も「果報」の知らせ。
なんと、島民たちと行った北陸の遠久島の飛泡神社で、書いた「嫁に来ないか。幸せにします」の絵馬
に「幸(さち)」と名乗る女性から
「…私をあなたのお嫁さんにしてくださいますか。あなたにお目にかかりたく、
近々お訪ねしようと決心しています。」という、仰天の手紙が届く。
「幸」とは、どんな女性なのか?

二人の未来は…。

◆(おもったこと)
これは、トロトロのラブストーリーではない。
明青、おばあ、幸。それぞれが人と死別、離別の過去を持っている。
本文の表現で言えば「痺れるほどの喪失感」が共通している。

誰かが言ったように、サヨナラだけが人生なのか?
深い絶望の海を泳ぐのが、人の一生なのか。
生きているのが辛い時、どうしたらいいんだろう?

引っ込み思案だった明青が、後半に見せる行動は、ひとつのヒントをくれる。

辛さ一色に塗りつぶされない、人としての営みが欲しい。
喪失感には、大切なものを獲得したいという歩みが一番の力になるんだ。
きっと…。

(原田マハ著「カフーを待ちわびて」2006.4宝島社)



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本命くじら

Author:本命くじら
 本が好きです。自然も好きです。
人間という生き物にキョウミシンシン!
本は快楽。本はエネルギー。…ってことで。
 よろしく!

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