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(物語)
中学二年のよっちゃんが手伝っている「峠うどん」は、70歳半ばの父の祖父母が営んでいるうどん屋だ。
14年前まで、祖父が暖簾分けされた「長寿庵」という屋号だったが、道路向かいに斎場が建ったため、屋号を「峠うどん」に変更して、お通夜や葬式に来た人たちの店になった。
学校帰りに手伝いにくる「峠うどん」でよっちゃんは、いろんな人に会い、命のことを考えていく…。


「序章」「かけ、のち月見」「二丁目時代」「おくる言葉」「トクさんの花道」「メメモン」(上巻)
「柿八年」「本年も又、喪中につき」「わびすけ」「立春大吉」「アメイジング・グレイス」(下巻)

(思った)
◆こんなふうに一篇ずつの題名を書いて内容を思い出すと、一篇ずつが鮮烈な命の水みたいだった。読んで本当によかった。一見、暗くて威勢が悪そうなうどん屋に、本当の意味の明るさと希望がいっぱいあるんだなぁと思った。
「峠うどん」のうどんを食べに行きたい!さッちゃんや駒子さんと話してみたい!

◆40代半ばの人情深い父・和也や、まじめな母・佐智子のおいたちもでてくる。寡黙で頑固な職人の祖父・修吉のこと。
一言多いけど、外交的で機知あふれる祖母・駒子。
父の悪ガキだった教え子のボーズ。
さっちやんの同級生の大友や、祖父の親友・わびすけなど作品に登場する人物たちが、どの人も印象深い。

◆「かけ、のち月見」「二丁目時代」「おくる言葉」などが特に好きな作品だ。
人が学ぶことの意味。人が「本気」をだすときの思いや多彩なあり方が感動的だ。

人が最後に行きつく「死」のことが描かれている。
それは「生」への問いを、さまざまに投げかけてくれる。
豊かな問いと思いがギュッとつまった傑作!

(重松清著「峠うどん」上巻2011.8下巻2011.9講談社)


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本命くじら

Author:本命くじら
 本が好きです。自然も好きです。
人間という生き物にキョウミシンシン!
本は快楽。本はエネルギー。…ってことで。
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