2017 / 05
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(ものがたり)

六つの、物語からなる。
別れた元彼の納骨式に出席する話。(かたちないもの
駆け出し新聞記者・山崎里和が、港で出会った60歳の失業死亡男の足跡を追う話。(海鳥の行方
国選弁護しかしない弁護士の話。(起終点駅
失業した男が見た、廃品回収をする人々。(スクラップ・ロード
山崎里和が再登場。特別養護老人ホームで亡くなった歌人の話。(たたかいにやぶれて咲けよ
宅配弁当の配達をしている久保田千鶴子が、30年ぶりに、北海道の小さな町に、強盗殺人の末自殺した弟の永代供養に訪れて、再会した死んだ母の友人・85歳のたみ子の話。(潮風の家

(おもった)

荒廃した場面と人生の空しさと哀しみで、ド~ンと心が重くなる作品群だ。
思ったのは、誰もが生まれる家や所を選べないということ。
親も、自分の身体も、外見の美醜も決められない。
生まれた場所で、懸命に生きるしかない。
暗くて重いけれど、人の真実の姿でもある。
そんな運命を背負って生きる人たちの物語。

「潮風の家」では、政治と老人福祉のお寒い今の状況を、たみ子に皮肉たっぷりに語らせる。
「国会中継」を「酔っぱらった漁師のほうが、なんぼかましな言い分あるわ」と…。
近所の人が「孤独死」した様子を「流行最先端の死人」と語らせたりする。
辛辣な皮肉を宿した作家でもある。

暗い物語の中に、人や命への哀惜があり、生きることへの愛しさがほんのり残る。

(桜木紫乃 著「起終点駅(ターミナル)」2012.4小学館)

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本命くじら

Author:本命くじら
 本が好きです。自然も好きです。
人間という生き物にキョウミシンシン!
本は快楽。本はエネルギー。…ってことで。
 よろしく!

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