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何とも優しい表題だ。
「だめな遺伝子を背負っているから、何をやってもダメなんだ」
とか「いくら努力しても、遺伝子で、あんたの運命は決まっているから」
という遺伝子・運命決定論じゃない視点。それが題名にあらわれている。

福岡さんは、生物学者。でも、文章は柔らかくて、文化の香りがいっぱいある。
免疫学者だった多田富雄さんが、能の新作を書いたり、美術の本を残されたのに似ている。
福岡さんも「フェルメール・光の王国」という楽しい本を最近発表された。
生前の画家・フェルメールが描く力を、画家以外の活動にも発揮していたのではないかと
楽しい推理をされている。

さて、この本は、生活の場面の疑問や悩みに、福岡先生がこたえる形のコラム。
興味深いいろいろな問いかけが49。
例えば
「彼は筋金入りの草食系。栄養学的に問題ないでしょうか?」
「彼氏も飼い猫もメタボです。太るタイプかどうか、遺伝子検査でわかると聞いたのですが?」
「スッポンを食べたらお肌がつやつやになった気がします。コラーゲンって、やっぱり美容にいいんですよね。」
「最近心が渇き気味。手軽に未体験の「感動」を味わいたいです。」など。


気軽に読みながら、目に見えないけど、生きている多くの命が世界にあること。
自分が当然と思っていたことが、ただの先入観や固定観念だったことがわかったりする。
(先のコラーゲンの外部接種が、ほとんど無意味ということ、とか。)
DNAとメタボの設問には、DNAでわかることもある。でも、過信はダメ、「情報の倉庫」くらいに考えて、人の生命現象を、名前より育つ環境こそが大事と言う。
この設問には、彼氏や飼い猫には「控えめなお食事の習慣をおすすめいたします」と結んでいる。

あとがきで言っている。
命や遺伝子を決定論でとらえるのでなく「もっと個体の自由度を尊重すべき」
「遺伝子は産めよ増やせよといっているのではなく、むしろ自由であれ、といっているのだと私は思う」

生命現象の不思議。儚さ。美しさを感じる。
そんでもって…。
ダメなことがあって落ちこんでも、それも含めて命の時なんだと、おおらかに生きればいいんだと思った。
優しく命を包んでくれるような一冊。


(福岡伸一著「遺伝子はダメなあなたを愛してる」2012.3朝日新聞出版)

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本命くじら

Author:本命くじら
 本が好きです。自然も好きです。
人間という生き物にキョウミシンシン!
本は快楽。本はエネルギー。…ってことで。
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