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◆(物語)

一般診療から救急医療まで24時間365日をこなす、信州松本の本庄病院の内科医師、栗原一止の、病院や日々に起こった出来事を綴るシリーズ3作目。

夏祭り・秋時雨・冬銀河・大晦日・宴からなる。
作品を重ねる毎に、ますます味わい深く面白くなってきたシリーズ。

新たに病院に赴任してきた小幡奈美医師。経験もあり優秀で仕事熱心なベテランの赴任、当初は歓迎していたが、ある当直日に、酒を飲んで救急通院してきた患者を診察せずに帰すという病院の理念に反する出来事が起こり、看護師や一止たちと軋轢がうまれる。なぜそんな対応をしたのか?小幡医師の生き様や真意が徐々に見えてくる…。

日々、休みなく診療を続ける医師になって6年目、30歳の一止に、大きな転機が訪れる…。


◆(思った)

毎度ながら、命を預かる病院現場。そこで働く医師の過酷な労働条件に驚き、仕事にふさわしい余裕ある医療体制であって欲しいと思う。本庄病院は、医師や看護師などのスタッフの犠牲的精神に支えられている。一止も忙殺される日々だ。生死が交錯する病院。多忙なのに、妻のハル、同僚や友人たちと交わされる会話は楽しい。
その病院に、小幡医師が赴任してくる。彼女の生き様や哲学から、一止は自分に足りないものを学んでいく。


夏目漱石の大ファンで、いつも彼の文庫本を持っている一止。
今回の作品に、繰り返し登場する漱石が書簡に書いたという次の言葉が印象的。「あせってはいけません。ただ牛のように、図々しく進んでいくのが大事」。希望を諦めない、ゆっくりだけど確かな歩みを始めようとする主人公が、輝いていた。

凄まじい現場の話なのに、作品全体に漂うゆったり感が病みつきになる独特の文体。
希望を諦めない一止の生き様に、込められた作者のメッセージがとっても元気をくれる。

(夏川草介著「神様のカルテ3」2012.8 小学館)



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本命くじら

Author:本命くじら
 本が好きです。自然も好きです。
人間という生き物にキョウミシンシン!
本は快楽。本はエネルギー。…ってことで。
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