2017 / 06
≪ 2017 / 05   - - - - 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 -  2017 / 07 ≫

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


「小鳥の小父さん」と、周りの人から呼ばれていた、ある男の一生。
両親に先立たれ、信頼する兄もなくなる。
その後、近所の幼稚園の小鳥たちを20年近く世話する。
そして、鳥の本ばかり借りていたのが縁で、知りあった若い司書への憧れ…。
それは、人見知りな性格を変えるかに見えたが…。
司書に去られ、児童の誘拐犯との誤解を受けて、幼稚園に出入り禁止になる。
鈴虫の音色を聞く老人にあったり、庭にいた傷ついたメジロの幼鳥と出会って会話する。
彼が、人生の中で見たものとは…。


無常観が漂う哀しい話なのに、主人公の何とも言えない人柄に、親しみとある種の共感を覚える。
肉親などとの別れや悲しみに、死の影がついてまわる暗い話のはずなのに、読後感は優しく明るい。
それは作者が、リアルで澄んだ目で人を見つめるているから。

人生には、痛みや悲しみに落胆して落ち込んだり、ときめきや希望に満ちて、溌剌と過ごしたりする時間がある、
連綿と続く命の連鎖を思った。
誰も注目しない人生の舞台にも、誰もが遭遇する「微細な心の動きや、予期しない出来事」がある。
それを、ひとりの男の一生を通して、すくい取ってみせてくれた。


静かな。でも小説の企みが楽しい一冊。

(「ことり」小川洋子著 朝日新聞出飯 2012.11)

この記事へコメントする















本命くじら

Author:本命くじら
 本が好きです。自然も好きです。
人間という生き物にキョウミシンシン!
本は快楽。本はエネルギー。…ってことで。
 よろしく!

05 | 2017/06 | 07
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。