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なんとなく可笑しくて、すらすらと読めた。

◆ マジなところの感想。
流れて平坦に見える、ボクラの日常の中で「一段階上がる」人間関係
(ここでは、同棲している男女関係。)のことを思った。


部屋に迷い込んでマリーと名づけた猫が死んでしまって、佐藤めぐみは悲しみ、無気力になる。
ワタルは彼女に元気になって欲しいと思い、猫探しに協力してくれた小学生のマコちゃんと三人で会う。
マリーの死を知って、小学生のマコちゃんと、一緒に同棲している男・高橋ワタルは、
めぐみの悲しみを共有し、泣いてしまう。
そんな出来事が、めぐみに元気と生きる活力を呼び戻してくれる。
平凡な日々のことを、見落としたり、軽く見ないこと。大事かも。


◆ 物語は、夜の仕事のバイトをしているめぐみと、フリーターの28歳のワタルの物語。
ワタルの仕事探しと、行方不明の猫のマリーを探す日々が、描かれている。
ジャブのように、作品に織り込まれている笑えるエピソード。
ワタルが風呂の中で、就職の模擬面接を想像する場面。
割り箸を口に挟んで、笑顔を作る練習の結末。
「ウミ」こと大西 洋との不思議な縁。
大学時代の同級生たちと、つくっている「フローの会」のこと。
電車の中で携帯電話を触り続ける、三人の女子高生の姿、など。

◆ 最後の場面で、めぐみは日の出前の川原にワタルと行く。
この風景を取り巻く色が「青色」。それは象徴的だ。
この川原に集めた石を捨てる。
それは彼女が、メモリアルな出来事の時に集めて、その出来事を日記風のメモと共に残してきた石だ。
(この石の中には、マリーの墓の側でワタルが拾ってきた石も含まれている。)
この出来事の中には、彼女の思いがある。
グータラな男だけど、猫や仕事探しするワタル。
猫が死んだことを、彼女に言い出せない。
そして、一緒に悲しみを共有して涙してくれる、そんなワタルとの暮らしの日々を
もっと大事にして、それをメモリアルにしよう。
もう一段、人間関係を上げて生きようというめぐみの心意気が込められていると思った。

大きな事件は起こらない、でも、読み心地がいい。
さらに、面白い作品を読ませて欲しい。

(「青色讃歌」 丹下 健太 著 河出書房新社 2007,11)






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本命くじら

Author:本命くじら
 本が好きです。自然も好きです。
人間という生き物にキョウミシンシン!
本は快楽。本はエネルギー。…ってことで。
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