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キャバクラで働くティアラこと母▪矢島有香子は、16歳の時ダイアナを産んだ。
本とは無縁な母で、食事はコンビニ食だ。
競馬が大好きだった父が、世界一ラッキーな子になるようにと「大穴」と書いてダイアナと命名した。その父は行方不明。
この名前が嫌いで、15歳になったら改名したいと思っている。ティアラに金髪に染められてパサパサの髪。母子の暮らし。彼女の楽しみは、大好きな本だ。

小3年の自己紹介の時、ダイアナという名前を「素敵な名前」と、クラスの嘲笑から庇ってくれた彩子と友だちになる。彩子の両親は文化的で上品で、綾子に優しい。

対照的にみえる二人の家庭環境、次第に見えてくる知らなかった世界。二人は互いの境遇に憧れを抱く。

小学生3年3組8歳からの二人の15年間が描かれる。中三の時、誤解から絶好して10年ほど会話しなくなるが、共通の好きな本「秘密の森のダイアナ」のことを、ネット上で相互の正体を認知せず語り合う…。さて二人は?


人は生まれる場所を、親を、家庭環境を選べない。ダイアナの嘆きはとても良く分かるし、同時に、嘆いても仕方がないと思ったりもする。
対照的な境遇に見える彩子は、恵まれた家庭環境にみえるが、成長するにつれて、庇護され育ったゆえの、不満や変化が育つ。
ノーテンキで本など読んだことがないはずのティアラの、思いがけない過去も明らかになってくる。
ティアラと彩子の父との意外な接点や、ダイアナの本当の父親のなど飽きさせない展開が楽しい。

ダイアナと彩子、互いの誤解と引け目。友情の切断と再生。
二人の長い中断を仲立ちしたのは「秘密の森のダイアナ」という共通の愛読書。
その一節。『本当に怖いのは、狭い世界で満足して、自分で自分の目隠しをしてしまうことよ』(P129)
二人の歩みは、目隠しようとする自分の弱さと闘って、目を開いて世界を見ようとする生き方。
見えなかったもの、見なかったことに気づいていく本気の構えが、元気をくれる一冊。

(「本屋さんのダイアナ」柚木麻子著 新潮社 2014.4)


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本命くじら

Author:本命くじら
 本が好きです。自然も好きです。
人間という生き物にキョウミシンシン!
本は快楽。本はエネルギー。…ってことで。
 よろしく!

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