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◆ 大学生活のため、親元を離れて暮らす、双子の姉弟・華子と冬冶が、
新しい人間との出会いのなかで、両親と一緒のときの四人家族が放っていた
「クローバー」のような「特別な華やかさ」とは異なる、新しい「クローバー」を
咲かせていこうと歩みだす心の成長の物語。…かな。


◆ 島本さんのヒロインとしては珍しく豪快でダイナミックな行動に笑える。
自分の容姿を気にして、化粧に余念がない積極的で活動的な、恋多き姉の華子。
それとは対照的で、優柔不断な性格。以前の失恋の痛手を引きずり恋に積極的になれないキャラだ、そして姉や人のことを気遣う弟の冬冶。
その二人の暮らし。
 華子に一目惚れし、体も心も包容力のある「熊野」(華子が命名。本名「細野有季」)は
20代半ばの公務員だ。彼女の本性を知りながら、それを肯定している。
彼女に一目惚れして、恋心を抱き猛烈にアタックする。
最初さけていた彼女だったが、彼には素顔のまま気楽に会える安心感があり、なじんでいく。
やがて二人の家に、頻繁に来るようになる。
華子のことを「惚れっぽい上に身持ちが軽いタイプ」だからとプロポーズまでする。
恋愛に臆病になっていた冬冶に、一途で真面目な恋心を寄せて「好きです」と告げる
同じ学科で学ぶ、雪村さんが現れる…。

◆ あとがきで「この小説は、青春小説でも恋愛小説でもなく、
モラトリアムとその終わりの物語」
だと島本さんは言っている。親元を離れて過ごす、20代最初のころ。
物語の最後に二人は、大学を卒業して、それからの進路と、自分を大切に思ってくれる人との
未来を描くために歩き出す。
さて、どんな歩みを選んでいくのかな…。

◆ それにしても、華子のキャラには笑える。
製菓会社の最終面接で、他社のCMソングをアカペラで熱唱、途中で誤りに気づいて
あわないメロディーに会社名を無理に押し込んで歌ってしまうというエピソード。
しかも、就職が内定してしまう。

さて、生まれたばかりの新しいクローバーくんたち…。
これから、どんな歩みをするんだろう(笑)。

クローバー 猛獣使い 不機嫌な彼女たち 東京、夏の陣 水面下 
来訪者、いくつかの終わりと始まり 淡い決意 向こう岸へ渡る の八編からなる連作集。

◆ モラトリアム(執行猶予の意味。この物語では、親に生活を支えられている大学生の二人。)

(島本 理生 著 「クローバー」 角川書店 2007.11)


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本命くじら

Author:本命くじら
 本が好きです。自然も好きです。
人間という生き物にキョウミシンシン!
本は快楽。本はエネルギー。…ってことで。
 よろしく!

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