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◆ 「風が強く吹いている」「一瞬の風になれ」
今回の「風に顔をあげて」は、みんな「風」が題名についている。
ボクの、お気に入り「風シリーズ」だ。
作品ごとに「風」の意味は異なるけど、心に「熱をくれる」ところが共通している。

◆  さて、この平さんの本です。
彼女が書いた本でたとえると「もっと私を」と思いつつ「素晴らしい一日」
を夢見るが「何にもうまくいかないわ」と嘆きの日々をおくる。
その中でヒロイン・風実は、人や生きかたの本物に出会っていく。
生きるのは楽じゃないけれど、寒風に顔をあげて生きようって感じの作品。
(…と意味のないことを書いて遊んでしまった。スマヌッ!)

◆  織原風実は25歳の一人暮らし。
父は女をつくって、会社も家族も捨てて家を出た。
母と高校生の弟は、親戚に身を寄せている。

風実は一人で暮らしながら、バイトの数はこなしてきたものの、どれもしっくりこない。
20歳代の半ばになり「何のキャリアも築けずに三十代突入」することを心のどこかで恐れている。
26歳の恋人・英一は「自分のボクシングを極めたい」とボクシング一途に、打ち込んでいて、
ヒーローのように尊敬している。
ある日、高校生の弟・幹が家出して風実のアパートに来る。
母からの捜索の電話がかかってきて、幹が「ゲイ」だということを知る。
あれ程尊敬していた英一だったが、ある日スパーリングで負けると、あっさり引退を決めてしまう。

風実は弟の幹・英一から受けたショックを、なぐさめてもらおうと、年上の飲み仲間・小池さんと会うが、昇進で就いた仕事が「首切り」担当で、誠実な彼は人が変わったように落ち込んでいた。

対象的な性格の友人・リンコと美佳との語らい。
幹の尊敬するゲイバー「みるく」のマスター・藤本との出会いと、幹への真摯な助言。
ジーンズショップのバイトで、出会った裾上げの縫い子をしている三益さんの、深い優しさ。
その三益さんが、突然の脳梗塞で風実の前で倒れる。
付き添いをする、三益さんの娘さんの替わりに、屋台ライトバンの総菜屋「クイック・ビオ」の
スタッフとなって出会った、林さんとパートナーのアッコさん。
彼らの総菜にかける夢や生き方が、風実に新しい視野を開かせる…。

◆  まだ知らない世界があること。
思い込みの狭い殻の中じゃなく、楽じゃなくても、諦めないで
「風に顔をあげて」歩き続けることが、新しい出会いをよび、
新しい生き方に繋がる目を開かせてくれる。
ヒロインの歩みに、声援をおくったり、しんみりしたり、ワクワクしたり…。
再読したくなる傑作。



1.三十怖い病 2.向かい風の日 
3.おっと、あぶない 4.スタートライン の四編。

(平 安寿子著「風に顔をあげて」角川書店 2007.12)








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本命くじら

Author:本命くじら
 本が好きです。自然も好きです。
人間という生き物にキョウミシンシン!
本は快楽。本はエネルギー。…ってことで。
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