2017 / 08
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 以前読んだ「風が強く吹いている」の描いた駅伝。
そして今回の「文楽」。勝手に名づけて「動と静の二部作」。
文楽に、まったく触れたことのないボクに、未知の世界の話を楽しく読ませてくれた。
しをん! あんた ただもんじゃ~ねぇ… 。

◆ 健(たける)太夫は、やんちゃだった高校の修学旅行で鑑賞した「文楽」に
魅せられてこの世界に入った。
女好きで、しきたりなどには大らかだが、芸には厳しい人間国宝・銀太夫師匠の三番目の弟子だ。

彼は、300年以上の歴史があるといわれる「文楽」の真髄に迫る
太夫(語り手)を目指して稽古に励んでいる。
ある日、健(たける)こと笹本健太夫は、無愛想でプリンが好物な
「実力はあるが変人」と評判の三味線弾き、兎一(といち)こと、
鷺澤兎一郎(といちろう)とコンビを組むように、師匠から宣言される。
 入門して10年間、一度も、話したことがないうえに
「特定の太夫と組むつもりはない」と言い放つ兎一。
そんな男とのコンビの行く末は?
兎一が以前に一度だけ組んだという、月太夫とは?

 健たちが週一回、文楽指導ボランティアとして行っている小学校の生徒・ミラちゃん。
その母親の真智に抱く、健の一目惚れの恋の行方は…。

◆「幕開き三番叟」(まくあきさんばそう)
◆「女殺油地獄」(おんなごろしあぶらのじごく)
◆「日高川入相花王」(ひだかがわいりあいざくら)
◆「ひらかな盛衰記」
◆「本朝廿四孝」(ほんちょうにじゅうしこう)
◆「心中天の網島」(しんじゅうてんのあみじま)
◆「妹背山婦女庭訓」(いもせやまおんなていきん)
◆「仮名手本忠臣蔵」(かなでほんちゅうしんぐら)

八つの文楽の演目と、健の日々と芸への精進がクロスしつつ
物語が進んでいく。
入門10年目から14年目への歩み。
次第に重要な場面の語り手として、更なる芸の真髄に迫ろうとする健の修行と恋。

◆ 「仏果」は「さとり」という意味。
簡単にさとりに到達できない混沌の日常。
さとれないからこそ、少しでも近づこうと精進する健。
「文楽」の演目に登場する人物の行動や言葉やしぐさに、今の自分の生き様
を重ね、時を越えて近松などの、文楽の作者の真意をさぐろうとする。
その健の生き様や言葉が、元気をくれる。

◆ こんな言葉が出てくる。
「ほかのものの芸と比べてではなく、自分の中にある理想の語り、理想の音に、負けたくなかった。
どうせ届きやしないと諦めて、怠惰に流れるような真似はしたくない。
銀太夫はその気概を持ちつづけて、今の芸境に至った。
そうありたいと願う健は、全身で銀太夫の声を感受しようと努める。」(P121)

こいつ、やるじゃんと思う。
さとりを得て歩みを止めるんじゃなく、混沌の中を手探りで生きて
いつも理想への思いを描いて歩く。
そいつぁ~豪儀だぁ~~な~ぁ~。(笑)


(三浦しをん著「仏果を得ず」 双葉社 2007.11)








【】
くじらさん こんばんは。
そ〜なんですよ。
しをんさん、ただものじゃないです(笑)
書くとなったら、取材をしまくって書く
…みたいな。
私もほとんど知らない、文楽の世界に
一気に引き込まれていきました。
健の成長していく姿が良かったですね。
【ヒットの一冊】
naruさん こんにちは

本当に取材しまくっていて
惚れこんだ世界なんでしょうね
「文楽の世界」。
それが、読んでいると伝わってくる感じです

健の芸好きがいいですね。
【】
こんばんは。
「動と静の二部作」。素晴らしいネーミングです。
私は密かに「体育系と文科系の二部作」って呼んでました(恥)。

文楽の魅力をしっかり掘り下げていましたね。
その文楽に情熱を注ぐ健の、一途に芸を磨く姿に好感が持てました。
【こんばんは】
藍色さん ようこそ!

「体育系と文科系の二部作」いいネーミングですね。どちらもヒットでした。
しをんさん 好きで仕方ない世界を作品にするという気持ちが、伝わってきました。
【】
こんばんは。
しをんさんが文楽好きで楽しんで書いてるのが伝わってきて、こっちもノリノリで読むことができました。
魅力的な登場人物を作るのがうまいですよね。
すっかり文楽に引き込まれました。
【ノリノリで読む】
ちきちきさん こんばんは

ノリノリで読ませてくれる小説。

作者が、作品にのっているかどうかで
読む僕らのノリノリ度も変わりますね。
この本は、とても自然にノリノリで
読ませてくれました。
【】
くじらさん、こんばんは。
「静と動の二部作」、ぴったりですね。
対極にある2作品でしたが、どちらもすごく熱いのは一緒。
知らない文楽の世界なのに、あっという間に引き込まれてしまいました。
これだからしをんさんは止められない、止まらないのです。
【読書の縁もいいですね】
雪芽さん こんばんは

 本当に2作品とも熱い作品でしたね。
前の駅伝を描いた「風が強く吹いている」も
大好きで、どきどきしながら読んだ作品です。
そちらで書かれているように
「人の内に渦巻き湧き上がる静かで熱い情熱を描くのが本当に上手い。」
という雪芽さんの感想。
同感です。
【】
こんばんは。
しをんさんの文楽への思いが伝わってくる本で、楽しかったですね。
読んでいて、文楽が見たくなりますよね。

しをんさんで文楽、平さんで落語、次が楽しみです。

【伝える筆運び】
mintさん こんばんは

そうそう、文楽への思いが伝わってくるよね。
しをんさん 馴染みのない文楽の世界を
面白がらせてどきどき読ませてくれた。
その、伝える筆の冴えがいいですねぇ。

次は、どんな世界をひろげてくれるか。
うん 楽しみだね!
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本命くじら

Author:本命くじら
 本が好きです。自然も好きです。
人間という生き物にキョウミシンシン!
本は快楽。本はエネルギー。…ってことで。
 よろしく!

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