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核弾頭が「間違いで」発射されて、刻々と首都に飛んでくる。
居合わせた人たちの、命のカウントダウンが始まる。
その不合理。
読み出したら止まらない。
松本清張の、唯一のSF的小説。


◆ ある朝、防衛省統幕議長から官邸の総理大臣にかかって来る
一本の緊急電話。
東京に向かって、5基の核弾頭ミサイルが、Z国から誤射され43分後に爆発し、
一発で東京から半径12キロ以内が全滅する。
迎撃は不可能。
慌てふためいて政府要人たちは、ヘリコプターで首都を脱出、大阪に臨時政府をおく。
ラジオ・テレビの臨時ニュースで真相が報道される…。

◆ 「砂の器」「点と線」「波の塔」などの、名作群を残した清張の作品の中で
一際印象の強い作品。
最近、書店で復刻文庫を見つけて再読。
笑いと怖さと悲劇が詰まった一冊。

 毒のある笑いが随所に。
例えば、虚無主義者の描写。
「常から世の中のあらゆることを否定し、意義を認めなかった虚無主義者も、今度だけは生きる意義を痛烈に認めた。彼らは可能なかぎり被爆地からのがれようとして逃走した。」
(P116)

 覚悟を決めて、アパートで愛し合いながら、最後を迎えようとする
戸上佐知子と木村規久夫の姿が悲しい。

 世界に存在する、現実の核兵器が、空想の小説世界に終わらない怖さを感じさせる。
小説を読むと、先端技術を注入して製造している兵器の正体が
実は「未開と野蛮の象徴としての核兵器」だということが、浮かび上がってくる。

(松本清張著 「神と野獣の日」 角川文庫 2008,5改版)


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本命くじら

Author:本命くじら
 本が好きです。自然も好きです。
人間という生き物にキョウミシンシン!
本は快楽。本はエネルギー。…ってことで。
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