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初めて聴いた、笑点の司会をしている歌丸さんの落語。
端正な語り口の、はなし方でいい感じだ。

「おすわどん」は、演じられる機会の少ない埋もれた噺だとか。

「思い込みは怖い」という噺。
大店の呉服屋の仲良しのご夫婦があったとさ。
ところが非情にも病で妻は先立ってしまう。
月日は流れ、後添えとして「おすわさん」を迎える。
死んだ妻に劣らず、夫に優しく奉公人たちにも気配りができる
素晴らしい人なのだ。
ところが、ある深夜から毎夜の同じ頃、今の妻の名前を呼ぶ声が聞こえる。
店の外で、パタパタと戸を叩いた後で
「おすわど〜ん」と…。

さては、嫉妬した先妻が、今の妻を恨んで
夜な夜な「おすわど〜ん」と化けて出てきたのではないか。
奉公人は怯え、おすわさんは寝込んでしまう。


主の徳三郎は剣の達人・野牛の流れを汲む(柳生ではない。)
荒木またずれ先生(荒木又衛門ではない。)に、幽霊退治を依頼する。

ところが正体は、同時刻の夜に屋台をひく「うどん屋」。
「おすわど〜ん」と聞こえたのは「おそばうど〜ん」というながしの声だった。

荒木は、手ぶらで帰れないので、たとえ聞き違いでも「証に、お前のクビをもらう」という。
クビは渡せないけど、私の息子を身代わりに立てます。
出たのは「そば粉」。
「蕎麦屋の「こ」だから息子です。」
「して、これをなんとするっ!」とまたずれ。
うどん屋すかさず
「手打ちになさいませ!」


(CD音源 桂歌丸「おすわどん」 1994.11.6放送「日本の話芸」)

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