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垣根涼介著「君たちに明日はない」を読んだ。 
「ジャニーズ系のアイドルを、一晩糠漬けにしたような顔」の33歳の男・村上真介の物語。なんと彼は、リストラの面接などを請け負う首切り専門の会社の社員だ。彼自身もかつては、以前の勤務していた会社でリストラの対象となった経験があった。そのときの面接を今の会社の社長から受けて、ひょんな事から、この会社で働くようになる。

◆後に恋人となる・芹沢陽子という8歳年上の女性が、会社のリストラ候補として、彼と面接してきっぱりとした、芯の強い面を見せる「怒り狂う女」。

◆玩具メーカーで面接した、おもちゃ開発が大好きな緒方の姿に、かつてバイクのプロライダーを目指した自分を思う「オモチャの男」。

◆都銀の依頼で面接した池田昌男は、北海道足払(あしふつ)高校時代の同級生だった…「旧友」。

◆親近感とともに大笑いした、名古屋の町並みや風俗・食文化・名古屋弁が次々に登場してくる、飯塚日出子が「トヨハツ自動車(株)」のコンパニオンで登場する「八方ふさがりの女」。

◆数字的な実績が、ほぼ同じ二人の音楽プロデューサーの一方を解雇する資料を、音楽プロダクションから依頼される「去りゆく者」。(この物語には、過去のもう一人の真介の恋人らしき女性も登場)。
の五つの物語。

「首切り専門の会社」に勤める真介の物語なので、シリアスで重たいドラマを想像するが、軽快なテンポの文章。興味津々で惹きつける内容。とっても楽しめる作品。

主人公・真介。かつて、彼もリストラの候補になった。そんな過去があり、リストラされる人の痛みを知っている。だから上からの目線で人を見ない。自分が相手に辞職勧告する事への嫌悪も、今の仕事の魅力も抱えながら生きている。何より「世間の手垢」にまみれない意志を、からっとした人柄の中に包み込んでいる。
 …ってことで、本の題名にかかわらず、この本は「君たちにゃ明日がある」。
そんな読み心地だった。面白い。


垣根涼介著「君たちに明日はない」(新潮社 2005.3)






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本命くじら

Author:本命くじら
 本が好きです。自然も好きです。
人間という生き物にキョウミシンシン!
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